自由な発想を受け容れられる器が必要

 Psychology Todayの記事「20・30代に必要な思考法”Millennials and Gen Z Need Training in This One Skill Set”」を読んで。
(Millennials and Gen Z :1980年代前半から90年代半ば生まれと90年代半ばから2000年代前半生まれの世代)

 一般的に創造性や自由な発想力があって新しいアイデアを思いつける人を組織は求めます。

LinkedIn named creativity as the top skill needed in business in 2018, and CEOs and hiring managers have been saying the same for at least a decade. Yet, the thinking skills exercised in passing standardized tests do not include the robust original problem solving that is creative thinking.
LinkedIn は2018年にビジネスで必要とされる最高のスキルとして創造性を挙げました、そしてCEOと雇用マネージャは少なくとも10年間同じことを言っていました。それでも、標準化されたテストに合格するのに役立つ思考スキルには、創造的思考である堅牢な独自の問題解決は含まれていません。

 ただし組織が硬直化していて、そのアイデアを許容する雰囲気がなければ誰も積極的に発言しようとはしません。
 以前から続いていることをそのまま続ける前例踏襲が自分にとって一番安全だと思えば、わざわざ失敗の危険がある新しい方法を選ぼうとする人は稀です。

 もちろん創造性もトレーニングで高めることはできます。
 同時に個人の努力や才能だけを当てにするよりも、全員が自由闊達に意見交換ができる関係や心理的安全性の高い組織風土を育てておいた方が組織全体の底上げになります。
参照
Millennials and Gen Z Need Training in This One Skill Set” Kathryn Haydon MSc 2019 Psychology Today

社内での協働と競争について

 Psychology Todayの記事「協働相手が競争相手に変わるとき”When Collaborators Turn Into Competitors”」を読んで。

 働き方改革と世間ではよく言われていますが、先日某所でお会いした管理職の方の話しです。
 その組織では働き方改革推進のために部署ごとに残業時間の削減率が一覧の棒グラフで張り出されるそうです。
 他部署と競争意識を持たせて削減する目論見なのは分かります。今のところはこの競争意識を刺激する方法もうまく機能しているそうです。
 でも、本来であれば全社で取り組んで残業時間の不公平をなくして削減していく方が良いはずなのに、この方法では全体最適ではなく部分最適で自分の部署を優先して残業時間を減らすような方法を取りかねません。
 もしくは見かけ上の残業を減らすために隠れ残業が横行してしまうような危惧もあります。
 本来ならば全ての働く人の負担を減らすことが働き方改革の趣旨のはずなのに、一部の人にしわ寄せが行くようでは本末転倒でしょう 。

 

Collaborating with people pursuing the same outcomes as you—whether that’s at school in a study group, at work with others trying to climb the corporate ladder, or something more personal, like trying to achieve a fitness goal—can be motivating.
 学校での勉強や会社内で昇進のために働いたり、フィットネスで目標を達成しようとするような個人的な取り組みでも、あなたと同じ目標を目指す人々とコラボレーションすることはやる気につながります。

 

But, at some point, this collective focus has another impact on participants—individuals pursuing similar goals start comparing themselves to each other.
しかし、ある時点で、この集合的な焦点が参加者に別の影響を与えます。同様の目標を追求している個人は、お互いを比較し始めます。

However, these competitive feelings may also create a sense of “pseudo-competition.”
しかし、これらの競争的感情は「疑似競争」という感覚を生み出す可能性もあります。

 

As the “competition” increases, people perceive their counterparts as a threat to their goal performance. At that point, the focus shifts from collaboration to earning positional gain against others. That’s when collaborators can turn into backstabbers.
「競争」が激化するにつれて、人々は相手を自分の目標達成への脅威と捉えています。その時点で、焦点はコラボレーションから他の人より有利な立場を得ることに変わります。協働者が裏切者に変わるのはそのときです。

 

There’s a cost to the individual and potentially the group when collaborators become pseudo-opponents. Harming others’ performance is likely to create hurt feelings, anger, and distrust. The negative consequences of sabotage on one’s own goal are clear; what we also can’t ignore are the potential negative interpersonal consequences among collaborators and teammates.
 協働相手が疑似的な競争相手になると、個人そして場合によってはグループにコストがかかります。他人のパフォーマンスを損なうと気持ちを傷つけたり怒りや不信感が生じる可能性があります。サボタージュが自分の目標に悪影響を及ぼしていることは明らかです。また、協働相手やチームメイトとの人間関係への悪影響も無視できないものです。

 
 残業時間はもちろん一つの指標になると思いますが、仕事や職場への満足度ややりがい充実感といった従業員満足度(Employee Satisfaction)も指標となります。

 他人の足を引っ張ってでも自分の目標達成を優先したくなるような制度や仕組みを作らないように慎重な取り組みが必要です。

参照
When Collaborators Turn Into Competitors” Szu-chi Huang Ph.D. 2019 Psychology Today
働き方改革特設サイト(厚生労働省)
囚人のジレンマ

スタートする小さな方法

 Psychology Todayの記事「「できない!」を超えて”Moving Beyond “I Can’t!””」から。

 誰でも何かを始めることが億劫な時があります。簡単な内容だと自分でもわかっているのに気が乗らないのでつい先延ばしにしてしまう。そんな時には気分転換をするとかちょっとだけ動いてみるなど、自分なりの方法を持っている人もいます。

In the case of activation, one of the best things you can do is ask yourself, “What needs to change right now so I can begin?”
アクティベーションの場合、あなたができる最善のことの1つは、「私が始めることができるようにするために今何を変える必要があるのか​​」と自問することです。

 元記事はADHDを患っている人に向けたものですが、この方法は誰にでも有効です。
 自分に問う質問を「気分、場所、期待、エネルギーのレベル、取り組み方」の5つの視点で考えてみると

“What can I do to create a shift in my emotional landscape right now?”
「今、私の感情的な状況を変えるために何ができるでしょうか」

 疲れや圧倒されて動きだせない気分なら、休憩や散歩をするか自信について話しをする。

“What about this space isn’t working for me?”
「このスペースはどうしたら良いのでしょうか?」

 散らかって集中できない環境なら、視覚的な情報を減らす。場所を移動する。

“Am I making this harder than it needs to be?”
「私はこれを必要以上に難しくしていますか?」

 完璧主義を手放す。良いものを目指しすぎない。

“Do I need to rest or be active for a bit to rejuvenate?”
「私は休むか、健康のために少しアクティブにする必要がありますか?”

 水分補給や軽食などのエネルギーを補給するか、ストレッチなどで軽く体を動かしてみる。

“Do I need help or more information? What is truly my goal here, and how can I stay on track?”
「助けが必要ですか、それ以上の情報が必要ですか。私のここでの私の目標は何ですか、そしてどうやって軌道に乗ることができますか?」

 先に必要な情報やリソースを探す。

 対処方法はあくまでも一例にすぎません。これらは自分がスタートできない・動けなくなっていると気づいたときに自問すると新しい道が見つかるかもしれません。

 

In sum, starting is, in essence, an act of change.
要するに、スタートは本質的に変化の行為です。
Recognizing the patterns of our resistance allows us to take a moment to pause, to reframe our narrative, and to intentionally choose the best way to begin.
私たちの抵抗のパターンを認識することで、私たちは一時停止し、物語を見直し、そして意図的に始めるための最善の方法を選択することができます。

 

 コーチングではスモールステップで最初の一歩を踏み出すことを大事にしています。動けないことで悩んだり罪悪感を覚えるのなら、関連する小さな変化から始めることがおすすめです。
参照
Moving Beyond “I Can’t!”” Michelle Frank, Psy.D., and Sari Solden, M.S. 2019 Psychology Today

目標もアップデートしましょう

 Psychology Todayの記事「それは私が人生の目標を達成する上で役立ちますか?“Will It Help Me Achieve My Life Goals?”」から。

 

 人生の目標があれば、選択肢に優先順位をつけやすくなり迷うストレスも少なくなります。どんなことでも漫然と取り組むよりも目標があったほうがモチベーションも湧いてきます。

 ただ、毎日の勉強や健康管理やダイエットなど単調な繰り返しでモチベーションの上がりにくいこともあります。目の前のことを片付ければ目標達成に一歩近づくと信じられれば良いのですが、長期間を必要とすることでは自分の成長が見えにくいので迷いが生まれたりモチベーションが徐々に低下していきます。

 また、人生の岐路と言われるような大きな決断に迫られる時もあります。進学や転職などその決断が後の生活に大きな影響を与えると思える選択です。

There are no right-or-wrong answers to any of these questions. The so-called correct answer depends on your values, interests, and goals.
これらの質問に対する正しい答えはありません。いわゆる正しい答えはあなたの価値観、興味、そして目標によって異なります。

 

But one thing is for sure; if your efforts aren’t in line with your goals, you will not accomplish them.
しかし、確かなことが1つあります。 あなたの努力があなたの目標と一致していないならば、あなたはそれらを達成しないでしょう。

 自分一人では努力している=忙しい状態で、客観的に自分の現状を振り返れないこともあります。話しを聞いてくれる誰かがいるだけで方向修正がやりやすくなります。

 

then when faced with difficult forks in the road, you can ask yourself one simple question: “Will it help me achieve my life goals?”
人生の岐路に直面したとき、あなたは自分で一つの簡単な質問をすることができます:「それは私が人生の目標を達成する上で役立ちますか?」

 この時の目標は、自分で決めた自分のための目標でないと遠回りになることが多くなります。
 今までは誰か(親や所属組織など)が決めた目標を達成するために努力していれば、一定の評価をもらえていたかもしれませんがこれからもそれが続くとは限りません。

 また、状況が変われば目標も変わるのが当然です。もちろん遠くの目標に到達するためには継続することが大切ですが、家族の状況に変化があったとか大きな出来事があったときには、自分が本当に大切にしたいことは何なのかを考え直す良い機会かもしれません。
参照
Will It Help Me Achieve My Life Goals?” Jim Taylor Ph.D. 2019 Psychology Today

どのくらい人を励ます性格かの測定

 Psychology Todayの記事「あなたが人から好かれる人かどうか気付く12の方法”12 Ways to Find Out if You’re the Kind of Person Others Like”」から。

 人と信頼関係を築いていくうえで効果的な方法のひとつが相手を応援することです。ほめ言葉も大切ですが、同じように相手の可能性を信じて勇気づけ励まして見守っていくことも相手の成長を手助けする方法です。

 インディアナ大学のWong YJ他の研究によると励ましの言葉は、自分と相手のポジティブな関係をより強めるので励ます側にとっても良い影響があります。
 人を励ますという性格の強みを測定するために “Encouragement Character Strength Scale (ECSS).”が考案されました。

 

「人を励ます性格特性スケール」
”The Encouragement Character Strength Scale: Scale development and psychometric properties.”Wong YJ, Shea M, Wang SY, Cheng J.
以下の12の質問に普段通りに考えて回答してください。。
各設問は「強く反対する(= 1)」から「強く同意する(= 6)」まで6段階で評価してください。
合計値の平均があなたのスコアです。

1. Someone has told me that my words of encouragement to her or him provided hope during a difficult time in her or his lives.
 私からの励ましの言葉が相手の人生の困難な時期に希望を与えてくれたと人から言われたことがある。

2. I have been told that I have just the right words of affirmation for someone who is feeling down.
 私は誰かが落ち込んだ気分でいるときにかける適切で肯定的な言葉を持っていると言われたことがある。

3. I know how to use words of affirmation to address someone’s deepest fears.
 私は誰かが深い恐れに取り組むためにかける肯定的な言葉の使い方を知っています。

4. Someone has told me that my words of encouragement motivated her or him to consider a new opportunity.
 私の励ましの言葉で新しいチャンスについて考えるきっかけをもらったと言われたことがある。

5. I have been told that I have just the right words to help others believe they can achieve at the highest level.
 私は、彼らが最高レベルで達成できると自分で信じることを助けるために適切な言葉を持っていると言われたことがある。

6. My positive words have given someone the courage to pursue new opportunities that she/he didn’t previously consider.
 私の前向きな言葉が、相手が今まで考えていなかった新しい機会を追求することについて勇気づけたことがある。

7. I enjoy saying or writing something positive to encourage others to persevere in the face of hardship.
 私は、困難に直面している人が忍耐強くなれるように励ますための前向きなことを言ったり書いたりすることを楽しんでいます。

8. I find it meaningful to share words of inspiration with those who lack confidence.
 私は、自信のない人と奮い立たせるような言葉を分かち合うことは意味があると思います。

9. I like to share words of encouragement with others who are feeling dejected.
 私は落胆している人たちと励ましの言葉を共有することが好きです。

10. I get excited about inspiring others to fulfill their potential.
 私は他の人たちが潜在能力を発揮するために鼓舞することに興奮します。

11. I feel fulfilled when something I said or wrote to others encouraged them to pursue their dreams.
 私が人に言ったことや書いたことが彼らの夢を追求するように促したとき、私は満足したと感じます。

12. When I see others doing a good job, I like to encourage them to keep up the good work.
 他の人が良い仕事をしているのを見るとき、私は彼らが良い仕事を続けていくように励ますことが好きです。

 

You can also separate the subcategories of perceived ability (items 1-6) and enjoyment (items 7-12). The average ECCS score per item as reported for a sample of university students was 4.73, with the majority scoring between 3.95 and 5.51. If your score is in that range, then you’ve got an average degree of the ability to provide encouragement and hence be liked.
また、自覚している能力(項目1〜6)と楽しさ(項目7〜12)のサブカテゴリを分類することもできます。大学生のサンプルで報告された項目ごとの平均ECSSスコアは4.73で、大多数のスコアは3.95と5.51の間でした。あなたのスコアがその範囲内であれば、あなたは励ます能力を平均程度持っています。

 この点数はアメリカでの調査結果です、日本で検証すると数値に違いがあるはずなので参考程度に考えてください。
 数値の結果だけを気にするのではなく、定期検査のように自分がどのくらい人に励ますようなかかわりをしてきたかをチェックすることにも意味があります。

To sum up, fulfillment in life, as this study shows, seems to depend very strongly on not trying to surpass other people’s achievements, but in helping them overcome their challenges. By being a more encouraging person, you’ll not only be better liked, but you’ll like yourself better in the process.
まとめるとこの研究が示すように、人生の充実は他人が達成したことを超えようとするのではなく、彼らが彼らの挑戦を克服することを助けることに非常に強く依存しているようです。もっと励ます人になることで、あなたはより好かれるだけでなく、その過程において自分自身をより好きになるでしょう。

 

 設問の訳がこなれていないのはご愛嬌ということでご勘弁ください。
 日本版のECSSが開発されることを期待してます。
参照
12 Ways to Find Out if You’re the Kind of Person Others Like” Susan Krauss Whitbourne Ph.D. 2019 Psychology Today
The Encouragement Character Strength Scale: Scale development and psychometric properties.” Wong YJ他 2019 Journal of Counseling Psychology

健康を維持するために必要な運動の基準

 Psychology Todayの記事「10年の研究に基づく新しい身体活動ガイドライン”New Physical Activity Guidelines Based on Decade of Research”」から。

 ゴールデンウイークを前に暖かくくなってきたので屋外で運動することも快適になってきました。
 毎日歩く程度でも健康維持のために役立ちますが、アメリカでは成人の80%が運動不足という調査結果もあるようです。

 日本の厚生労働省に相当するアメリカ合衆国保健福祉省(The Department of Health and Human Services)からアメリカで推奨されている健康のための身体活動の基準が示されています。(2018年版

For substantial health benefits, adults should do at least 150 minutes (2 hours and 30 minutes) to 300 minutes (5 hours) a week of moderate-intensity, or 75 minutes (1 hour and 15 minutes) to 150 minutes (2 hours and 30 minutes) a week of vigorous-intensity aerobic physical activity, or an equivalent combination of moderate- and vigorous-intensity aerobic activity.
 実質的な健康上の利益のために、成人は少なくとも週に2.5時間~5時間の中程度の強度、または75分~2.5時間の激しい強度の有酸素運動、または同程度の有酸素運動と中程度の組み合わせが必要です。

 中程度の強度の運動が歩いたり掃除くらいの活動に相当します。
 日本では厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」で毎日歩行と同等の活動を60分する事と示しています。週にすると7時間。
 意外と日本の方が厳しい?

 スマートウオッチも安くなって心拍数などの活動量の記録がしやすくなりました。数値化できるとモチベーションも保ちやすくなるので便利です。また、運動することでドーパミンやβエンドルフィンなど脳内物質も出るので精神的な健康にも効果があります。

 健康だからできることもあります。できるだけ維持していきたいですね。
参照
New Physical Activity Guidelines Based on Decade of Research” Christopher Bergland 2018 Psychology Today 
The Physical Activity Guidelines for Americans”Katrina L. Piercy, PhD 2018 JAMA
運動施策の推進” 2013 厚生労働省 

人生の目的は自分で決める

 Psychology Todayの記事「人生の中であなたの目的を見つけるための近道”The Shortcut to Finding Your Purpose in Life”」から。

 振り返ってみると学校の中で人生の目的なんていう話しをした記憶が無いですね。年代や地域によってはあったのかもしれませんが、将来の夢として何か職業を聞かれたような気はします。
 夢=職業というところが既におかしい気がしますが、教育現場にも諸事情があるのだと思います。そもそも小学生だと知っている仕事のイメージが表面的なものだけでしょう。

 

How to settle on a purpose that fits your current life stage? There is a technique you can use that is immensely valuable – but astonishingly most people ignore it.
 あなたの現在のライフステージに合った目的をどうやって決めますか?非常に貴重なあなたが使用できるテクニックがあります – しかし驚くべきことにほとんどの人はそれを無視します。

 Interview your future self
 将来のあなた自身にインタビューしてください。

 NLPの手法にタイムラインという自分の未来をリアルに想像して、そこから現在の課題を解決する方法がありますが、ここではそうではなく、自分のロールモデルになりそうな人にインタビューしてアドバイスをもらうという方法です。

 役立つアドバイスもたくさんあるとは思いますが、時代に合わせて価値観も変化してきます。ロールモデルの人が現役だった頃の世間の情勢と現在がどのように変化したのかも考慮して聞く必要があります。
 

Experiments have shown that when people are made to think in detail about their future selves, they are more likely to make better financial planning decisions, show altruistic behavior, and make more ethical choices.
 実験は、人々が自分たちの将来の自己について詳細に考えさせられたときに彼らはより良い財務計画の決定をし、利他的行動を示し、そしてより倫理的な選択をする可能性が高いことを示した。

 自分の将来について考えることはポジティブな効果があります。この他にもその将来を実現するために、小目標を立ててそれを達成すれば脳内物質のドーパミンが活性化して気持ち良くなり、さらに行動したくなるなどの好循環がおきます。

 

 二日続けて2~3時間のセミナーを受講する機会があり、どちらも価値観や達成したい計画の目的を重視する内容でした。
 人に説明すると、ひとりで考えていた時には明確にしたつもりでも案外と煮詰まっていないことが分かります。私たちはやり方については、説明したりされたりすることに慣れていても、目的や価値について人と話す機会は意識していないとなかなか作りません。
 
 目的も一回で完璧に仕上げるのではなく、行動してまた人の意見を聞いてブラッシュアップしていくことで、より自分にしっくりくるものができてきます。
 大局観を持ったロールモデルになってくれる人と出会うのは難しいかもしれませんが、コーチングのコーチのように傾聴して受け止めてくれる人と話すことで視点を増やすことはできます。コーチでなくとも気の合う仲間同士で集まって(今ならオンラインでも)互いに聞きあう場を作っていければ人生の目的を決めることも促進されます。
参照
The Shortcut to Finding Your Purpose in Life” Karl Pillemer Ph.D. 2016 Psychology Today
The Legacy Project

人の表情から感情を読む能力

 Psychology Todayの記事「犬は人の表情を良く読み取る”Dogs Watch Us Carefully and Read Our Faces Very Well”」から。

 先日、ネズミも共感する能力があるという記事がありました。
 では、ネズミよりも進化した犬はどうでしょうか。

 犬をペットにしている人からすると当然のことかもしれませんが、犬は人の表情からその時の感情もある程度読み取れるようです。

In one study of dogs and human facial expressions, a team of scientists led by Corsin Müller demonstrated that dogs differentiate between happy and angry human faces and that dogs find angry faces to be aversive.
 犬と人間の表情に関するある研究で、CorsinMüllerが率いる科学者チームは、犬が幸せな顔と怒った顔を区別し、犬が怒った顔を嫌がっていることを示しました。

The expression most commonly used by dogs was one in which they raise their inner brow, making the eyes appear wider and sadder, a look all dog owners will immediately recognize as “puppy dog eyes.”
 犬が最も一般的に使用する表現は、彼らが眉頭を上げることで、目がより大きく、より悲しく見えるようになり、すべての犬の飼い主がすぐに「子犬の目」として認識されるようになります。

 おねだりする時や叱られている時に見せる、下がり眉のような表情を意図して作ることができるようです。

 自分の表情が相手にどのような影響を与えているのかを犬でさえ理解しています。

 さて、私たちはどこまで自分の表情に気を配っているのでしょうか。あからさまに不機嫌な表情(態度も)は周囲の雰囲気も悪くします。
 特にリーダーや組織での立場が上の人ほどそれだけで周囲にマイナスの影響を与えてしまいます。

 リーダーでなかったとしても、新人の指導役などを任さられることはあると思います。その時、自分の表情や態度が相手の学べることにどれだけの影響を与えてしまうのかは心にとめておきたいことです。
参照
Dogs Watch Us Carefully and Read Our Faces Very Well” Marc Bekoff Ph.D. 2019 Psychology Today
Rats Feel One Another’s Pain” Mary Bates Ph.D. 2019 Psychology Today
”ネズミだって共感している”

 

ネズミだって共感している

 Psychology Todayの記事「ラットはお互いの痛みを感じる”Rats Feel One Another’s Pain”」から。
 
 ラットを使った動物実験で、他のラットが痛みを経験しているのを見ても痛みを経験しているように脳が反応することが実証されました。

 Researchers from the Netherlands Institute for Neuroscience have demonstrated that specific neurons in the rat brain are active both when a rat experiences pain itself and when it observes another rat in pain.
 オランダ神経科学研究所の研究者らは、ラットが痛みを経験した時と、それが別のラットの痛みを観察した時の両方でラットの脳内の特定のニューロンが活動的であることを実証しました。
 

 これは共感能力を人間だけではなく、ほ乳類全般で同じように持っていることの証拠になりそうです。
 
 アニマルセラピーという療法もありますが、今回はラット同士だけの話しなのでラットと犬や犬と人間といった別の種類との間でも機能するのかはまだ分かりません。

 

 人間同士では共感能力が機能しているはずなのに、そうは見えない人もたまにいます。

Neuroimaging studies in humans show that a region called the anterior cingulate cortex (ACC) is active both when we feel pain and when we witness the pain of others.
 ヒトにおける神経画像研究は、前帯状皮質(ACC)と呼ばれる領域が、痛みを感じるときと他人の痛みを目撃するときの両方で活性化していることを示しています。

This happens in the region of the ACC that is active in human neuroimaging studies of empathy, and it’s the same region where psychopaths show reduced activity.
これは人間の神経画像研究で共感しているときに活発であるACCの領域で起こります。そして、それはサイコパスでは活動が少ないことを示すのと同じ領域です。

 研究が進めばこの部分の活性化を薬で調整できるようになるのかもしれません。ただ、そうするとその人の個性はどうなるのでしょう?
 自分の期待通りに行動してくれない(共感を示してくれない)相手だからといって、相手が間違いだと一方的に決めつけることはできません。

 チームビルディングを含め、人と良い関係を築いていくうえで共感能力は大切です。同時に複数の人が集まる組織を健全に維持していくには多様性も必要になってきます。そのバランスを保つには、メンバー同士が常にお互いを良く知るように対話することかもしれません。
参照
Rats Feel One Another’s Pain” Mary Bates Ph.D. 2019 Psychology Today
Emotional Mirror Neurons in the Rat’s Anterior Cingulate Cortex”  Maria Carrillo 他  2019  Current biology

ストレス対策には寒中水泳?

 Psychology Todayの記事「寒中水泳がストレス反応を改善する”How Cold Water Swimming Improves Stress Management”」から。

 日本だと寒中水泳の他にも滝行や水垢離(みずごり)がありますが本当に効果があるみたいです。
 サウナの後の水風呂が好きな人のハマる理由もこういう事なんでしょうね。

On receiving a distress signal about a threat (such as a stalking tiger, or a dunking in cold water), the hypothalamus triggers the sympathetic nervous system by causing a burst of epinephrine (aka adrenaline) to be released from the adrenal glands.
 脅威(虎が追いかけてくるもしくは冷たい水に落ちる)に関する苦痛信号を受信すると、視床下部は副腎から放出されるエピネフリン(別名アドレナリン)で交感神経系を活性化します。

 

The release of cortisol keeps the system revved up until the threat is perceived to have passed and action is no longer required, and then the para-sympathetic nervous system takes over and returns the body to a resting state.
 コルチゾールの放出は、脅威が通過したと見なされて行動が必要なくなるまでシステムを活性化させ続けます。その後、副交感神経系が引き継いで身体を休止状態に戻します。

 

 3分程度冷たい水に浸かると他のストレスへ対応する力も鍛えられるという研究結果が出ています。

A key study has shown that repeated three-minute dips in cold water over a period of time significantly reduces the adrenaline-driven sympathetic response to a different stressor and increases the para-sympathetic activity that calms the body down.
重要な研究結果として、ある期間にわたって冷たい水の中へ3分間漬かることを繰り返すと著しく異なるストレッサーへのアドレナリン主導の交感神経反応を減らして、そしてそれを静める副交感神経の活動を増やし、体を落ち着かせることを示しました。

 

 荒行的なものは終わった時の解放感で錯覚しているだけだと思っていたので、繰り返すことで副交感神経も鍛えられてリラックスすることが上手くなるとは意外でした。
 冷水だけではなく他のストレスに対しても対応力が上がるようです。

 現代人は飢餓や肉食獣に追われるような本当の命に関わるストレスを受けることがほとんどありません。そのために、日常生活のストレスを過大視しすぎて不安障害など健康を損ねることもあります。
 冷水浴で肉体的な命の危機につながるようなストレスもコントロール可能(乗り越えられる)と体感することでストレス全般に強くなれます。

 この話でシーナ・アイエンガーの「選択の科学」の冒頭で水槽に落ちてすぐに諦めて溺れ死んだネズミと、何時間も泳ぎ続けたネズミの違いを思い出しました。泳ぎ続けることができたネズミは事前に何度も水を掛けられて慣らされていたのです。

 根性論的なことは嫌いなのですが、社会的な慢性ストレスに強くなるためのトレーニングとして、自分でコントロールできてトレーニング後にはリラックスと回復がきちんとできる環境が整ているのなら荒行みたいなことも役立つのかと思いました。

参照
How Cold Water Swimming Improves Stress Management” Sarah Gingell 2019 Psychology Today
”‘Cross-adaptation’: habituation to short repeated cold-water immersions affects the response to acute hypoxia in humans
” Heather C Lunt 他 2010 The Journal of Physiology
Cold water immersion: kill or cure?” M. J. Tipton 2017 Experimental physiology 
選択の科学”シーナ・アイエンガー 2010 文藝春秋