バーンアウトしやすい職場

 Quick and Dirtytips.comの記事「バーンアウトの5つの要因”5 Surprising Causes of Burnout”」から。

 仕事にやる気が出ないと言うとサボリのように受け取られることが多いですが、環境によっては誰でも陥る可能性があります。
 本人の気持ちの問題で自分でどうにかすることが社会人として当然だという見方が主流だと思います。そして、やる気の落ちている本人も、自己責任でどうにかしないといけないとさらに自分を責めて悪循環になる場合もあります。

 ところがWHOは仕事に意欲が出ない状態(バーンアウト:燃え尽き症候群)も”International Classification of Diseases:国際疾病分類”に取り入れています。医療機関に受診しに行くことも選択肢のひとつとして上げられる状態です。

 そもそも仕事量が過剰で忙しすぎてバーンアウトになることは分かりやすい原因ですが、それ以外にも要因は複数あります。

Pressure to Achieve:達成へのプレッシャー
Pessimism :悲観論
Isolation :職場での孤立
Mindless Social Media Consumption:無駄にSNSを使いすぎる
Income Inequality:所得格差

 本人にとって達成できる見込みのない目標はモチベーションが下がるだけです。また、自分の将来に対して明るい展望が描けなければやる気が落ちます。
 上司からのサポートのない状態も要因になります。トラブルが生じたときに一方的に責任を押し付けられるようでは信頼関係は作れません。

 労力に見合った収入を得ていないといった感覚やあまりに大きな所得の格差は、搾取されているような不公平感を助長します。

 

 達成不可能な仕事量や目標を提示したり、職場で孤立した状態を作るなどは厚労省のパワハラの定義にも該当する項目です。働く意欲の高かった社員がバーンアウトしてしまうような職場環境では離職も減りません。
 
 適正な仕事量になるように業務改善も必要ですが、同時に職場での良好なコミュニケーションも必要です。
参照
5 Surprising Causes of Burnout” Ellen Hendriksen, PhD 2019 Quick and Dirtytips
Measuring Burnout” C. L. Cooper S. Cartwright 2009 The Oxford handbook of organizational well-being
国際疾病分類の第11回改訂版 QD85 Burn-out” 2018 WHO

感情労働には働く環境が大切です

 WorkingNation の記事「感情労働はソフトスキルの育成で成長します“Emotional workers thrive with nurturing of soft skills”」から。

 人と直接関わる職業のなかで感情労働といわれるものがあります。
 看護師、保育士、ホテル従業員、CA、クレーム対応など自分の感情を抑えて笑顔で接客することを求められる仕事だとイメージしてください。

 自分の感情をコントロールするようなスキル、いわゆる自制心はトレーニングをすれば高めることができます

Exercising these skills depends on circumstances at work.
これらのスキルを行使することは職場の状況に依存します。 

 ですが、個人がトレーニングでスキルを高めても職場の制度が適していなければ能力の発揮は難しいようです。

 

 一例として英国の看護医療関係の研究チームが北米、欧州、豪などの16の地域で調査したところ、看護師は患者との個人的なつながりが良いケアを提供するうえで重要だとみなしていると分かりました。

When nurses successfully form these authentic relationships, they tend to find deep satisfaction and a sense of purpose in their work.
看護師がこれらの本物の関係をうまく形成するとき、彼らは彼らの仕事において深い満足と目的意識を見つける傾向があります。

 しかし、特に高齢の患者や認知症の患者のケアをする施設などでは、看護士の人数不足で十分に患者と時間を取って信頼関係を築くことができないと感じていることが分かりました。

When nurses aren’t able to deliver care the way they feel they should, they often end up feeling guilty and frustrated, leading to emotional burnout.
看護師が思い通りにケアを提供できないと、罪悪感や欲求不満を感じ、感情的に燃え尽きることになります。

 燃え尽きることを防ぐために「スイッチを切る」と言った人たちもいました。スイッチを切り患者と心からの信頼関係を築く事をやめて表面的な業務に集中するのです。

 今後、感情労働の分野はさらに広がる傾向にあります。感情労働に従事する人たちが、仕事の中で思いやりのある人間として能力を自由に十分に発揮するためにはそれに見合った職場環境の整備も必要になります。
参照
Emotional workers thrive with nurturing of soft skills”Livia Gershon 2017 WorkingNation
Reducing burnout and enhancing job satisfaction: Critical role of hotel employees’ emotional intelligence and emotional labor” Jung Hoon Lee,Chihyung Ok 2012 International Journal of Hospitality Management
Increasing Emotional Intelligence through Training: Current Status and Future Directions” Nicola S. Schutte, John M. Malouff and Einar B. Thorsteinsson 2013 International Journal of Emotional Education