自由な発想を受け容れられる器が必要

 Psychology Todayの記事「20・30代に必要な思考法”Millennials and Gen Z Need Training in This One Skill Set”」を読んで。
(Millennials and Gen Z :1980年代前半から90年代半ば生まれと90年代半ばから2000年代前半生まれの世代)

 一般的に創造性や自由な発想力があって新しいアイデアを思いつける人を組織は求めます。

LinkedIn named creativity as the top skill needed in business in 2018, and CEOs and hiring managers have been saying the same for at least a decade. Yet, the thinking skills exercised in passing standardized tests do not include the robust original problem solving that is creative thinking.
LinkedIn は2018年にビジネスで必要とされる最高のスキルとして創造性を挙げました、そしてCEOと雇用マネージャは少なくとも10年間同じことを言っていました。それでも、標準化されたテストに合格するのに役立つ思考スキルには、創造的思考である堅牢な独自の問題解決は含まれていません。

 ただし組織が硬直化していて、そのアイデアを許容する雰囲気がなければ誰も積極的に発言しようとはしません。
 以前から続いていることをそのまま続ける前例踏襲が自分にとって一番安全だと思えば、わざわざ失敗の危険がある新しい方法を選ぼうとする人は稀です。

 もちろん創造性もトレーニングで高めることはできます。
 同時に個人の努力や才能だけを当てにするよりも、全員が自由闊達に意見交換ができる関係や心理的安全性の高い組織風土を育てておいた方が組織全体の底上げになります。
参照
Millennials and Gen Z Need Training in This One Skill Set” Kathryn Haydon MSc 2019 Psychology Today

性格上の強みを伸ばしてくれる職場

 Michellemcquaid.comの記事「従業員の強みを伸ばすための5つの方法”5 Ways To Help Workers Develop Their Strengths”」から。

 ミシェル・マクアイドによる Strengths Lab 2019職場調査レポート(”The Change Lab 2019 Workplace Survey”)は従業員の性格上の強みの発達と職場や仕事とのかかわりに注目した調査です。
 レポートはMichellemcquaid.comのサイトから無料でダウンロードできます。
The Change Lab 2019 Workplace Survey”(※要アカウント登録)

 

 調査結果によると従業員が自分自身の強みを知って仕事に活かすことができれば、より高い成果を上げることができます。
 
 また、個人向けの強み調査を受けた人でも、結局その強みを活かした場所は職場においてチームサポートと関係の改善に使っていました。
 
 トップ5の強みを識別することができた従業員で彼らがチームに心理的安全があると感じ、リーダーたちと有意義な強みについての会話をしていて組織として彼らの強みを活性化することを約束している時に、その強みを使う可能性がより高まりました。

 さらに強みを活かすことができている従業員は仕事への満足感が7倍高く、積極的に行動する可能性は3倍高く、4倍の成果を出しているという調査結果もあるようです。

 

  • 自分の強みを仕事に生かすことでより高い成果と仕事に対しての満足感を得られます。
  • 強みを伸ばすことの意味についてリーダーは従業員と語る機会を定期的に持つ必要があります。
  • 従業員が強みを伸ばすためにできていることもできていないことも率直にリーダーと話せる関係を築く必要があります。
  • チームの心理的安全性を高め、お互いの長所を知り助け合う関係のあるチームをつくることでよりその強みを発揮できるようになります。
  • 自主性や能力、人とのつながりを組織的に支援し、強みに基づく文化への従業員のコミットメントを高めることがより強い組織文化となります。

 心理的安全はチームで仕事を進めていくうえで基盤となるものです。心理的安全を感じられないチームが増えた原因は会社内だけではなく社会全体を含めた複合的なものだと思います。
 原因追及をするよりも、全員がお互いのことを知って話し合い相互理解を深めることでもう一度心理的安全を作ることが必要です。もちろん組織として心理的安全を損なわないような仕組みを施行することも大切です。
参照
5 Ways To Help Workers Develop Their Strengths” Team MMQ 2019
The Change Lab 2019 Workplace Survey”アカウント登録すると無料でレポートをDLできます。

信頼は人間関係の基礎

 TED「信頼を構築(再構築)する方法”How to build (and rebuild) trust”

 個人の関係も、組織としても信頼関係が崩れていると上手くいきません。
 システムやルールを作って厳しく適用すれば、信頼関係がなくても思った通りの結果が出るという論もありますが、お互いに信頼していないと自己の利益を優先してズルや誤魔化しが横行します。

 ルールを設定する側が事前にあらゆる事態を想定し、すべての対処方法を決めておくことは現実的でもありません。

 また、ルールで雁字搦めにすれば、それを超えて行動してくれることもなくなります。
 韓非子のように、親切心からの行動でも職分でなければ処罰するという極端さでは組織は硬直化します。

 Freiさんは信頼されるための3つの要素を上げています。

 

There’s three things about trust. If you sense that I am being authentic, you are much more likely to trust me. If you sense that I have real rigor in my logic, you are far more likely to trust me. And if you believe that my empathy is directed towards you, you are far more likely to trust me.
 要素は3つあります 誠実な人間だと思われたら 私は信頼されるでしょう 話に筋が通っていると感じられたら 私は信頼されるでしょう そして 私が相手に 共感していると思われれば 私はきっと信頼されるでしょう この3つの要素が働くと 強い信頼関係が築けます。

 

 1.誠実さ、2.言行一致、3.共感。
 この三つが欠けているリーダーの下では働きたくないですね。

 

And to the leaders in the room, it is your obligation to set the conditions that not only make it safe for us to be authentic but make it welcome, make it celebrated, cherish it for exactly what it is, which is the key for us achieving greater excellence than we have ever known is possible.
そして、ここにいるリーダー格の皆さん。あなた方の義務は 皆がありのままで(誠実で)いられる安心できる環境を整えるだけでなく、これを歓迎し讃え、ありのままでいることを大切にすることです。これが未知の領域に達する優れた成果を遂げる鍵となります。

 

But when we figure out this, when we figure out how to celebrate difference and how to let people bring the best version of themselves forward, well holy cow, is that the world I want my sons to grow up in。
つまり、異なる意見をほめたたえ、その人の最大の力を引き出す方法を見いだすことができれば、 なんとそれこそが私たちの子供が育って欲しい世界なんです。

 

 ここではリーダーが、皆にとって安心できる環境を整える義務があると説明していますが、実際はリーダーもありのままでいられない不安やプレッシャーを感じています。
  チームであるのなら、安心できるような心理的安全のある環境を実現するには、全員が実現のためにかかわる必要があります。

 自分と異なる意見を持つ相手でも、その人のことを信頼できるまで相互理解を深めることが最初の一歩なのだと思います。
参照
How to build (and rebuild) trust” Frances Frei 2018 TED
心理的安全がチームの成果をアップする

尊重し合える場所が良い職場

 TED「同僚を尊重することがビジネスに良い理由”Why being respectful to your coworkers is good for business”」から。

 尊重までいかなくても、相手を見下さないということは良い人間関係を築くうえで重要です。

 暴言や脅迫まがいになるとパワハラですが、そこまでひどくなくても見下されたような失礼な言動や態度を受けると、やる気だけではなく能力そのものが低下して仕事のクオリティが下がります。
 事例はイスラエルでの医療チームですが、どの産業でも変わりありません。

Researchers in Israel have actually shown that medical teams exposed to rudeness perform worse not only in all their diagnostics, but in all the procedures they did. This was mainly because the teams exposed to rudeness didn’t share information as readily, and they stopped seeking help from their teammates. And I see this not only in medicine but in all industries.
 イスラエルの研究者たちは、失礼にさらされた医療チームが、すべての診断においてだけでなく、彼らがしたすべての手順においても、より悪い成績を収めていることを実際に示しました。これは主に、失礼に晒されたチームがそれほど簡単には情報を共有できず、チームメイトからの助けを求めるのをやめたためです。そしてこれは医学だけでなくあらゆる産業で見られます。

 

 見下すような態度をされて心理的な安全がなくなると、チーム内で会話が少なくなり情報共有ができずにミスが増え創造性も低下します。
 その反対に、心理的安全があると感じられるチームでは仕事の効率も上がります。

 相手のことを大切に思っていると伝える態度に特別なことはそれほど必要ありません。

Well, the nice thing is, it doesn’t require a huge shift. Small things can make a big difference. I found that thanking people, sharing credit, listening attentively, humbly asking questions, acknowledging others and smiling has an impact.
 いいことに、大きな変更は必要ありません。小さいことで大きな違いが生まれます。私は、人々に感謝すること、信用を共有すること、注意深く聞くこと、謙虚に質問をすること、他人を認めること、そして微笑することが影響を与えることを見出しました。

 

 医療機関のOchsner Health Systemでは、人と近づいたら3mで笑顔でアイコンタクトし1.5mで挨拶するよう決めて実行したところ患者の満足度が上がりました。

 キャンベルスープの社長(2001-2011)として業績を回復させたダグ・コナントは、相手を大切に思っていることを示す方法として手書きの手紙を渡していました。
 その数は3万人以上になるそうです。1年3000枚としても1日10枚ぐらい書いている計算になります。多分メモ書きぐらいのものが多かったのでしょう。それでも効果があるようです。

 

What I know from my research is that when we have more civility environments, we’re more productive, creative, helpful, happy and healthy.
私の研究から知っていることは、私たちがより礼儀正しい環境を持つとき、私たちはより生産的、創造的、親切、幸せ、そして健康であるということです。

 

 このことがお互いに共通の認識や常識になっている社会だと住みやすいですよね。
参照
Why being respectful to your coworkers is good for business” Christine Porath 2018 TEDxUniversity of Nevada
Mastering Civility: A Manifesto for the Workplace” (未邦訳) Christine Porath 2016 Grand Central Publishing

ダイバーシティが活きるチーム

 Scientific Americanの記事「チームの多様性を活かす方法”How to Capitalize on Your Team’s Diversity”」から。

 

 ダイバーシティには基本的に賛成派です。
 ただし、とにかく違う属性の人を集めれば良いというものでもありません。場合によっては効率が落ちてしまいます。

 

Having diverse group members can also lower cohesion and raise conflict due to interpersonal differences. And so, sometimes, diverse groups actually underperform homogeneous groups on creative tasks.
 多様なグループメンバーを持つことは、個人間の違いによって結束力の低下や対立を引き起こす可能性もあります。そのため、場合によっては多様性をもつグループが創造的なタスクに関しては均一的なグループの結果を下回ることがあります。

 

 多様性と言うと性別や国籍が分かりやすいですが政治的信条の右派左派の違いでも、話しが続けられる関係を維持していれば 良い効果が出ます。
 さらに橋渡し役として、どちらにも属していないが両方について理解のある「カルチャーブローカー」になる人がチームにいればより理想的なのだと思います。

 

Specifically, groups need members who are prepared to think carefully about how to best facilitate interactions among people who have different backgrounds and may look at the world differently. People with multicultural experience are best suited to this task: They can act as a bridge between their teammates who have experience with only one culture represented in the team.
 具体的には、グループには異なった背景から世界を違った視点で見ているような人たち
の間で、やり取りを促進する方法について慎重に考える準備ができているメンバーが必要です。
 多文化の経験を持つ人はこのタスクに最も適しています。彼らはチームの主流であるひとつの文化だけ経験しているチームメイト同士の橋渡し役として働くことができます。

 

Cultural outsiders instead relied on their position as a neutral third party to draw information and ideas out of their teammates about their cultures. So, during the team discussions, they often asked the other team members questions and proactively invited them to share relevant cultural knowledge.
 文化的な部外者は、彼らの文化についてチームメイトから情報と考えを引き出すために、中立な第三者としての立場をとりました。
 そのため、チームディスカッションでは、他のチームメンバーに質問をしたり、関連する文化的知識を共有するように積極的に要請したりしました。

 

 

 記事からは離れますが、 ダイバーシティは国籍(文化)だけではなく性別や年代などの自分と違う属性を経験できないものも含まれているはずです。
 また、カルチャーブローカーになる人がいなくとも、メンバー各自に相手の話しを聞く姿勢と話せる心理的安全があれば創造性は高まります。
 同じ文化の人だからと言って、自分にとっての常識や暗黙の了解が通じるわけではありません。力関係で一方的に自分の常識を押し付けることがチームの創造性を殺します。
参照
How to Capitalize on Your Team’s Diversity”Francesca Gino 2018 
Cultural Brokerage and Creative Performance in Multicultural Teams” Sujin Jang 2017 Organization Science
How “cultural brokers” improve team creativity”Sujin Jang 2018 INSEAD
The Wisdom of Crowds Requires the Political Left and Right to Work Together”Dana G. Smith 2019 Scientific American

三人寄れば文殊の知恵もしくは衆知を集める

 Scientific Americanの記事”The Wisdom of Crowds Requires the Political Left and Right to Work Together

 組織内に多様性があるほうが良いという話は最近よく聞きます。
 多様性というと性別や国籍なんかが思いつきやすいですが、この記事によると政治的意見の違いでも同じように効果があるようです。

 

 面白いのは意見が違う人の対話の場として、ウィキペディアの記事の編集を実験に使っているところ。オンラインでできるので実験に参加してもらいやすくなり、記録を残しやすいので後で測定するのにも便利ですね。
 実験の結果、意見の違う人が議論を重ねるとやはりブラッシュアップされて良い記事になります。

 そして、ブラッシュアップのために対話するうえで大切なことは
We learned that if you have balanced polarization, that led to less toxic language, and less toxic language led to having longer debates.
 政治的に偏りすぎずにバランスを保っていれば毒舌は少なくなり、毒舌が少なくなれば対話は長く続けることができる。

 自説に固執する毒舌家や暴言を吐く人は建設的な対話ができない。
 という、当たり前のことのようですが、上司が人の意見を聞かない毒舌家だったりすると建設的な会議にならないですよね。

 議論を重ねてより良い案を作り出すために多様性はもちろん大事だと思います。同時に意見を言っても大丈夫だと確信できる心理的安全があることも重要です。

 

 改めて多様性について思った時に自分が受けてきた学校教育を振り返ると、生徒の画一化が目的だったんじゃないかと思わずにいられません( ゚Д゚)。

参照
https://www.scientificamerican.com/article/the-wisdom-of-crowds-requires-the-political-left-and-right-to-work-together/
https://awakener123.com/psychological-safety_1/
https://rework.withgoogle.com/guides/understanding-team-effectiveness/steps/identify-dynamics-of-effective-teams/

心理的安全がチームの成果をアップする

 昨年、googleはチームの業績を向上させる要因についての研究成果を発表しました。

 その結果によれば、心理的安全、信頼性、構造、意味、インパクトの5つが要因となりえたものでした。

 

 この中でも「心理的安全」が特に重要でした。

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 心理的安全が確保されたチームで働いているメンバーは離職率も低く、チームメイトからの多様なアイデアを活用することでより多くの収益をもたらし、その効果はおよそ2倍に達すると経営層から評価されています。

(引用原文 Tool: Foster psychological safety

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