5秒以内に動くことの効果


 TEDxSF「自分をダメにするのを止める方法”How to Stop Screwing Yourself Over”

 

 テレビやラジオの司会としてやベストセラー作家としてなど様々な分野で活躍し「motivational speaker」と呼ばれているMel Robbinsさんの動画です。

 主張は単純明快です。
 「欲しいものに向かって、つべこべ言わずに行動しろ」という思想です。
 ただし、単純であることと簡単かどうかは別ものです。

 大概の人は欲しい結果やなりたい将来があるのに、あれこれ(結果やコスト、将来への影響など)考えて行動できないか、諦めてしまい行動しないで悩んでしまう。

 じゃあ、どうすれば良いのか?
 「5秒以内に動け」と分かりやすい方針です。
 分かりやすいからできるのかというとそれも別物ですが。

 だから強制的にでもできるように「自分自身をしつける”parent yourself”」ことが大切になります。
 

And by “parent yourself”, I mean it’s your job to make yourself do the crap you don’t want to do, so you can be everything that you’re supposed to be.
そして、「自分自身をしつける」とは、やりたくないことを自分でできるように仕向けることがあなた自身の仕事です。

 

 この考え方が役に立つ時もあると思います。でも、ウツなどで精神的に追い詰められてる時は逆効果なので、人それぞれの人生の山と谷を見きわめて使ったほうが良さそうです。

 特に間違えてはいけないのは、この話は自分がやりたいと思えることに向かって行動していくことを勧めています。「自分自身をしつける”parent yourself”」嫌なことでもできるようにすると表現していますが、その瞬間的につらい行動をとることで、将来的に良いこと楽しいことがあるとポジティブなイメージができる目的に向かう行動です。

 やっても良いことがなさそうだけれど、やらないと怒られるからとか、仲間に(組織に)いられなくなるからといった罰を回避するために行動するわけではありません。

 

 新入社員研修中だったり、営業部署への配属直後の新入社員の人たちが、駅前で大声で歌を歌わされたり、とにかく誰でも良いから名刺交換してもらおうとしてたりするのを見聞きすると(最近はだいぶ少なくなったと思います)その狙いと行動がはたして合致しているのか疑問です。
 「とにかく行動すれば良い」という考えで、馴染んでその後上手くいく人もいますが、馴染めなくてドロップアウトする人もいます。篩(ふる)いにかけて残った人だけ伸ばしていく方が企業の戦略として楽なのかもしれませんが、それでは組織としての多様性は失われてしまいます。

 

参照
How to Stop Screwing Yourself Over” Mel Robbins 2011 TEDxSF
Mel Robbins 個人サイト https://melrobbins.com/
The 5 Second Rule: Transform Your Life, Work, and Confidence with Everyday Courage ”(未邦訳)

 

尊重し合える場所が良い職場

 TED「同僚を尊重することがビジネスに良い理由”Why being respectful to your coworkers is good for business”」から。

 尊重までいかなくても、相手を見下さないということは良い人間関係を築くうえで重要です。

 暴言や脅迫まがいになるとパワハラですが、そこまでひどくなくても見下されたような失礼な言動や態度を受けると、やる気だけではなく能力そのものが低下して仕事のクオリティが下がります。
 事例はイスラエルでの医療チームですが、どの産業でも変わりありません。

Researchers in Israel have actually shown that medical teams exposed to rudeness perform worse not only in all their diagnostics, but in all the procedures they did. This was mainly because the teams exposed to rudeness didn’t share information as readily, and they stopped seeking help from their teammates. And I see this not only in medicine but in all industries.
 イスラエルの研究者たちは、失礼にさらされた医療チームが、すべての診断においてだけでなく、彼らがしたすべての手順においても、より悪い成績を収めていることを実際に示しました。これは主に、失礼に晒されたチームがそれほど簡単には情報を共有できず、チームメイトからの助けを求めるのをやめたためです。そしてこれは医学だけでなくあらゆる産業で見られます。

 

 見下すような態度をされて心理的な安全がなくなると、チーム内で会話が少なくなり情報共有ができずにミスが増え創造性も低下します。
 その反対に、心理的安全があると感じられるチームでは仕事の効率も上がります。

 相手のことを大切に思っていると伝える態度に特別なことはそれほど必要ありません。

Well, the nice thing is, it doesn’t require a huge shift. Small things can make a big difference. I found that thanking people, sharing credit, listening attentively, humbly asking questions, acknowledging others and smiling has an impact.
 いいことに、大きな変更は必要ありません。小さいことで大きな違いが生まれます。私は、人々に感謝すること、信用を共有すること、注意深く聞くこと、謙虚に質問をすること、他人を認めること、そして微笑することが影響を与えることを見出しました。

 

 医療機関のOchsner Health Systemでは、人と近づいたら3mで笑顔でアイコンタクトし1.5mで挨拶するよう決めて実行したところ患者の満足度が上がりました。

 キャンベルスープの社長(2001-2011)として業績を回復させたダグ・コナントは、相手を大切に思っていることを示す方法として手書きの手紙を渡していました。
 その数は3万人以上になるそうです。1年3000枚としても1日10枚ぐらい書いている計算になります。多分メモ書きぐらいのものが多かったのでしょう。それでも効果があるようです。

 

What I know from my research is that when we have more civility environments, we’re more productive, creative, helpful, happy and healthy.
私の研究から知っていることは、私たちがより礼儀正しい環境を持つとき、私たちはより生産的、創造的、親切、幸せ、そして健康であるということです。

 

 このことがお互いに共通の認識や常識になっている社会だと住みやすいですよね。
参照
Why being respectful to your coworkers is good for business” Christine Porath 2018 TEDxUniversity of Nevada
Mastering Civility: A Manifesto for the Workplace” (未邦訳) Christine Porath 2016 Grand Central Publishing

見えるケガ、見えないキズ

 交通事故をわざと起こす人はいません。(もちろん、わざとだと事故ではないというそもそも論がありますが)

 事故で人に怪我を負わすと、相手側によほどの過失がなければ、普通の人は二度と事故を起こさないようにと反省して、その後は注意を払って安全運転を心がけるものだと思います。それでも不幸にも二度、三度と事故を起こしてしまうこともあります。

 そうした場合、自分の運転技術や注意力の何が悪いのかと悩んだり、人によっては生活に支障が出ないなら、車の運転をやめてしまうこともあります。

 一般的な感覚で人に怪我を負わしたり、故意ではなくとも人を傷つけてしまうと、反省するものなのです。

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怒っても上手くなりません

 クラブ活動や少年野球などで選手がミスをすると怒っているコーチがいます。「ボサッとするな!」「気合入れろ!」「もっと集中しろ!」具体性に欠ける指示ですが聞き覚えがあると思います。

 

 怒っている人は、怒ることで相手が次はミスをしないと思っているはずです。あなたも経験的に効果がありそうな気がしているかもしれません。

 怒鳴りつけると気を引き締めるので次は良いプレーをする。良いプレーをした時に褒めると調子にのって気が緩んでミスにつながると信じている人もいます。結果的にずっと怒っているだけの指導者になってしまいます。

 

 しかし、これは全くの誤解です。

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