Psychology Todayの記事「ラットはお互いの痛みを感じる”Rats Feel One Another’s Pain”」から。
ラットを使った動物実験で、他のラットが痛みを経験しているのを見ても痛みを経験しているように脳が反応することが実証されました。
Researchers from the Netherlands Institute for Neuroscience have demonstrated that specific neurons in the rat brain are active both when a rat experiences pain itself and when it observes another rat in pain.
オランダ神経科学研究所の研究者らは、ラットが痛みを経験した時と、それが別のラットの痛みを観察した時の両方でラットの脳内の特定のニューロンが活動的であることを実証しました。
これは共感能力を人間だけではなく、ほ乳類全般で同じように持っていることの証拠になりそうです。
アニマルセラピーという療法もありますが、今回はラット同士だけの話しなのでラットと犬や犬と人間といった別の種類との間でも機能するのかはまだ分かりません。
人間同士では共感能力が機能しているはずなのに、そうは見えない人もたまにいます。
Neuroimaging studies in humans show that a region called the anterior cingulate cortex (ACC) is active both when we feel pain and when we witness the pain of others.
ヒトにおける神経画像研究は、前帯状皮質(ACC)と呼ばれる領域が、痛みを感じるときと他人の痛みを目撃するときの両方で活性化していることを示しています。
This happens in the region of the ACC that is active in human neuroimaging studies of empathy, and it’s the same region where psychopaths show reduced activity.
これは人間の神経画像研究で共感しているときに活発であるACCの領域で起こります。そして、それはサイコパスでは活動が少ないことを示すのと同じ領域です。
研究が進めばこの部分の活性化を薬で調整できるようになるのかもしれません。ただ、そうするとその人の個性はどうなるのでしょう?
自分の期待通りに行動してくれない(共感を示してくれない)相手だからといって、相手が間違いだと一方的に決めつけることはできません。
チームビルディングを含め、人と良い関係を築いていくうえで共感能力は大切です。同時に複数の人が集まる組織を健全に維持していくには多様性も必要になってきます。そのバランスを保つには、メンバー同士が常にお互いを良く知るように対話することかもしれません。
参照
”Rats Feel One Another’s Pain” Mary Bates Ph.D. 2019 Psychology Today
”Emotional Mirror Neurons in the Rat’s Anterior Cingulate Cortex” Maria Carrillo 他 2019 Current biology