人を喜ばせることは色あせない

 Psychology Todayの記事「与えることは繰り返しても気分が良くなる”Repeated Giving Feels Good ”」を読んで。

 同じ経験から得られる幸福感は繰り返すと、慣れてしまい低下します。繰り返されると基準が上がるので最初ほど嬉しくないという経験があると思います。

 

Consistent with the idea that people adapt to repeated experiences, their happiness with the gift they got themselves went down each day.
人々が繰り返しの経験に適応するという考えと一致して、彼らが彼ら自身に与えた贈り物に対する彼らの幸せは毎日落ちました。

 

 この逓減効果は自分のためにお金を使った時と、寄付などで誰かのために使った場合では違いがあります。自分のためでは同じものを5日間続けて買うことで満足感を感じにくくなったのに、寄付では初日と同じくらいの満足感を得られました。(※参照1)

 

 実験自体には、自分のためでも毎日違うものを選ぶと満足感を損ねにくいのではとか、使う金額は影響しないのかとか、相手からの感謝の気持ちとか、結論に影響がでそうなことがいろいろと思い浮かびました。
 しかし、人を喜ばすことで嬉しくなる気持ちは繰り返しても変わらないと考えると人への親切のきっかけになりますね。
参照
1.”People Are Slow to Adapt to the Warm Glow of Giving” Ed O’Brien, Samantha Kassirer 2018
2.”Repeated Giving Feels Good ” Art Markman Ph.D. 2019

幸福に関しての75年間の研究結果

 TEDx「良い人生のために幸福に関する最も長いの研究からの教訓 ” What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness ”」を見て。

 

 75年という長期にわたる素晴らしい研究だと思います。代々引き継いだ研究者、調査に参加し続けた被験者、切られることのなかった予算。これから同じ規模を想定して新しい研究を始めるにしてもハードルは高そうです。
 今からならオンラインでデータを取り扱うことで予算的にもデータの取り扱いにしても楽にはなるんでしょうか。

 この75年間での研究結果として、良い人間関係が幸福を作るという結論は直感的にも納得しやすいものです。

 

The people who were the most satisfied in their relationships at age 50 were the healthiest at age 80.
50才で最も幸せな人間関係にいた人が 80才になっても一番健康だった

But over and over, over these 75 years, our study has shown that the people who fared the best were the people who leaned in to relationships, with family, with friends, with community.
私たちの75年間の研究で繰り返し示されたのは最も幸せに過ごして来た人とは、人間関係に頼った人々だという事でした。それは家族や友達、コミュニティだったり様々です。

 

 この結果に懐疑的な意見もあったようですが、金銭的な満足や社会的な成功よりも良い人間関係が肉体的にも精神的にも幸福感に関係していることは確かなようです。

 

  私たちが主観的幸福を最優先の価値観とすると、生活の便利さ(技術開発、費用対効果etc…)を一旦脇に置くことができるようになるのでしょうか。
参照
What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness” Robert Waldinger 2015 TEDxBeaconStreet
Harvard Second Generation Study

精神的に健康な人

 Quick and Dirtytips.comの記事「精神的に健康な人の7つの信念 ” 7 Beliefs of Emotionally Healthy People ”」を読んで。

 いい加減は良い加減とも言ったりもしますが、完璧主義は精神的にも健康に悪いですね。
 7つ全てをいつでもできてる必要はないと記事でも言っています。
 逆にこのうちのどれかが絶対に受け入れられないような気分の時は、ちょっと休んでみる必要がありそうです。

 気にいったのは3番の「自分を笑い飛ばせる“I can laugh at myself.”」

George W. Bush famously said to the Yale graduating class, “To those of you who received honors, awards, and distinctions, I say, well done. And to the C students — I say, you, too, can be President of the United States.”
ジョージ.W.ブッシュがエール大学の卒業生におこなったスピーチが有名です。「優秀な成績を修め表彰され栄誉を得た皆さん。おめでとう素晴らしい。 そしてCクラスだった生徒諸君にもひと言、君たちもアメリカ大統領になることができるでしょう」

 成功して余裕のある時にはできそうですが、不遇な時や失敗したときにでもこれを忘れない余裕を持てるようになりたいですね。

参照
7 Beliefs of Emotionally Healthy People”Ellen Hendriksen 2018.12月

能力の発揮できない、したくない?

 Harvard Business review「技能のある従業員が能力を発揮できない四つの理由”4 Reasons Talented Employees Don’t Reach Their Potential”」を読んで。

 仕事をこなす技能を持っていることとその能力を充分に発揮しているかは別の話です。
 本人の気持ちの問題もあれば、状況や環境でできなくなっているのかもしれません。
 場合によっては上司との相性が悪かったり、上司の側に問題があることも考えられます。

 リーダー(直接の上司ではない)から見て能力を発揮できていないと思った時に介入の視点としてこの4通りの切り口は役立ちそうです。
 だからと言ってすぐに解決できる話でもないんですが。
 
 ざっくり訳すとこんな感じです。
  ●仕事への適正
  ●ダメな上司
  ●社内の人間関係
  ●プライベートな原因
 詳細は原文をご覧ください。

 

 記事からは離れますが、多くの方にお伺いしているとこの二つもあると感じています。
 ●やっても良いことがない。
  能力を発揮して頑張ってもほめられない、さらに過大な要求をされる。
 ●このぐらいやっていれば十分と思っている。
  報酬に見合った仕事はしている。所掌はこの範囲までと自分で区切っている。

 やる気の問題ともいわれますがこっちのほうがまだ解決の糸口があります。

参照
4 Reasons Talented Employees Don’t Reach Their Potential” Tomas Chamorro-Premuzic 2019.3

みんなが楽しく働く(※Netflixの社風の場合

 TED「みんなが楽しんで働く会社を作る8つの方法”8 lessons on building a company people enjoy working for”」

 Netflix の人事担当役員だったパティ・マッコードの動画です。5分くらいの短い動画なので気軽に見てください。
 TEDシリーズのDropboxが提供しているThe Way We Workの中のひとつで、通常の大勢の前で発表している動画とはスタイルが違います。

 Netflixは会社として目指していて社員に求めるカルチャー(https://jobs.netflix.com/culture)をかなりはっきり示しています。

 優秀な人には高給を払うが仕事ができなければクビという日本ではなかなか実現しにくい部分があります。

So the idea of keeping people for the sake of keeping them really hurts both of us. Instead, what if we created companies that were great places to be from?
引き留めるために彼らを引き留めるというのは両者を本当に傷つけることになります。それよりも、出身地として素晴らしい会社を目指してはどうでしょう?

 このマッコードさんも最終的に Netflix を去ることになってしまいました。それでも去年「NETFLIXの最強人事戦略」も出版されています。
 
 もちろん納得できる良いことも言っています。ただ、海外のリーダーシップや人事制度は前提条件となる文化や法律が違っているので、そのまま持ち込むのではなく自分たちの組織に適用できるのか吟味する必要があります。

 

参照
8 lessons on building a company people enjoy working for” Patty McCord 2019
https://jobs.netflix.com/culture
NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築くパティ・マッコード

花粉症の季節ですが鼻呼吸は大事

 Psychology Todayの記事”Breathe In! Nasal Inhalations Are Linked to Laser-Like Focus”を読んで。

 

 腹式呼吸や深呼吸をする際には喉を痛めないために鼻から息を吸うことを勧められます。それ以外の理由でも鼻から吸った方が良いことがあるようです。

 

”the researchers found that study participants who inhaled milliseconds before performing a visuospatial task on a computer scored better than those who exhaled just before attempting the same task.”

 研究者は、コンピュータで視覚空間タスクを実行する前に数ミリ秒吸入した研究参加者が、同じタスクを試行する直前に息を吐いた参加者よりも優れていることを発見しました。

 

 鼻から息を吸い込むことと匂いを嗅ぐことは同時に起こっています。野生動物では匂いで周囲の状況を確認することは生き残りにも関わってきます。

 視覚もこれと同期して鼻から息を吸い込むときに視覚空間認識能力が活性するようです。

 残念ながら言語能力に関しては良くならなかったようです。味覚や聴覚を刺激することで言語能力が上がると嬉しいんですが、そんな都合のいいことは見つかっていないみたいです。

 

参照

Breathe In! Nasal Inhalations Are Linked to Laser-Like Focus

Human non-olfactory cognition phase-locked with inhalation”Ofer Perl他2019

反重力と言うとニセ科学っぽく聞こえるけれど

 Scientific Americanの記事”Sound by the Pound: Surprising Discovery Hints Sonic Waves Carry Mass
Some sounds might possess a tiny but measurable amount of negative gravitational mass (Jonathan O’Callaghan 3.11, 2019)を読んで。

 

 私も内容を人に説明できるほど理解できていませんが、音が伝わると物が軽くなるという理論が数学的には成り立つとPhysical Review Lettersに論文が掲載されました。(”Gravitational Mass Carried by Sound Waves“Angelo Esposito (Columbia University)他2019)

 

The mass of the phonons would be negative, meaning they would fall “up.”
音響量子(フォノン)の質量は負になり、それらが上に向かって落ちることを意味します。

 これからこの結論が正しかったのか検証を重ねられていくのだと思います。
 反重力なのかマイナスの質量なのか、日本語に訳そうとすればするほど不正確な表現になっていくので詳しくは原文を読んでください。

 

 ここまで来ると「進みすぎた科学は魔法と区別できない」 と理解力の不足を誤魔化したくなります(‘Д’)。
参照
Gravitational Mass Carried by Sound Waves
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.122.084501
Angelo Esposito (Columbia University)他2019
https://physics.aps.org/articles/v12/23

Mutual interactions of phonons, rotons, and gravity
Alberto Nicolis(Columbia University),Riccardo Penco(University of Pennsylvania)2018
https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.97.134516

音響量子(phonon)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8E%E3%83%B3
場の量子論(Quantum Field Theory)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B4%E3%81%AE%E9%87%8F%E5%AD%90%E8%AB%96

Sound by the Pound: Surprising Discovery Hints Sonic Waves Carry Mass
https://www.scientificamerican.com/article/sound-by-the-pound-surprising-discovery-hints-sonic-waves-carry-mass/

一人のバカがリーダーになる瞬間

「リーダーシップとは何か」言葉の定義を始めると人それぞれ結構違いがあります。
 私は「ビジョンを示して、自ら行動し、他人を巻き込む人」くらいのシンプルなもので良いと思っています。

  「ムーブメントの起こし方」Derek SiversTED2010
 3分程度の短いビデオなのですぐに見られます。
~~~
でも1人のバカを リーダーに変えたのは 最初のフォロワーだったのです 全員がリーダーになるべきだと よく言いますが それは効果的ではありません
” but it was really the first follower that transformed the lone nut into a leader. So, as we’re told that we should all be leaders, that would be really ineffective. ”
~~~

 馬鹿げたことでも始めれば一人のフォロワーが現れて、初めはマイノリティだったとしてもフォロワーが増えてやがて集団の25%を超えればそれが当たり前になるかもしれません。

 

 部下やメンバーに対しての評価で「もっとリーダーシップを発揮してほしい」という話を聞くことがあります。 自分にとって都合の良いことを勝手にやって成功した成果だけ献上してほしい、くらいの意味合いだったりする場合があるので内容をよく聞く必要があります(‘Д’)。
参照
https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement
https://awakener123.com/tipping-points/

多数派意見は半分以上の人が支持しているのか?

 Quick and Dirtytips.comの記事”The Science of Tipping Points: How 25% Can Create a Majority”(Sabrina Stierwalt2018.11.6)を読んで。

 実験の結果によると少数意見が普通の意見とみなされ始めるのはグループ内で支持が25%を超えたあたりからでした。
 多数派意見(常識、当たり前、普通の事、みんな言ってるよetc..)だと説得された時に過半数が支持しているのかどうかは確認が必要そうです。

 この結論を少数意見を浸透させるための根回しの方法として考えるなら、過半数を目指さなくても4人に一人の支持者を作れば良いということになります。組織内で企画を通すハードルが少し下がる気がしますね。

 まあ、明らかに反対している個人の意見を変えさせることは別問題なので期待できることは限定的です。
 はっきりと意見を持っている人は別として、浮動票を取り込んで多数派を形成できれば組織の意思決定に影響できる可能性は高められます。

 

 組織として良い決定をするには、多数派意見を形成することよりも皆で議論を尽くす方がよほど大切だと思うんですけどね(‘Д’)。
参照
https://www.quickanddirtytips.com/education/science/the-science-of-tipping-points-how-25-can-create-a-majority
Experimental evidence for tipping points in social convention”D.Centola他ペンシルバニア大学(2018)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29880688

解決策は”なんとなく”くらいでちょうどいい

 Psychology Todayの記事The Principle of “Just Cuz”(Steven C. Hayes 2019.1.22)を読んで。

 新年の目標などでなにか大きなをこと決めて一大決心のもとに取り組み始めたけれど、あまりの大変さに投げ出してしまった経験はありませんか。

 これは問題解決で目標を立てた時も同じ事態に陥りがちです。

 自分で決めたはずなのに結果として三日坊主や中途半端でやめてしまうと、達成できない意志の弱いダメな人間だと自己肯定感をさげていくこともあります。

 記事では
Two Counterintuitive Reasons Why Most Resolutions Fail
ほとんどの解決策が失敗する2つの直感に反する理由として
Too Much Action” ”Too Much Pressure
が挙げられています。

 コーチングでは「スモールステップ」といって遠くの目標に到達するためのはじめの一歩として小さな具体的な目標を決めて行動することをすすめています。

 


 大切なことだから変わらなくてはならないと力が入っている人よりも、こだわりがないから変化できるという考えかた。

 しなければならないという外からの圧力ではなく、気が向いたからというぐらいの軽い気持ちで始めて、続けられなくてやめてしまっても気が向いたらまた始める。

 Just Cuz.”なんとなく”で続けていることが案外と目標達成の近道なのかもしれません。

 

参照
※この手の話は解決しないと即死するような切迫した状況を前提にしているわけではないのでその辺は元記事を読んで自分で判断してください(‘Д’)
https://www.psychologytoday.com/intl/blog/get-out-your-mind/201901/the-principle-just-cuz