やりません

投稿日: 2017年8月9日

 大声研修。とにかく大きな声で挨拶を続けさせるような研修はやりません。いわゆる軍隊式で、基準も良くわからないまま何度も大声を出させ続け、合否の判定は講師が一方的に押し付ける。これでは受講者は講師の気に入る方法を探すことになり自発性を損ねます。

 このスタイルのプログラムは今までの人生で一度も大声を出したことが無い人や、引っ込み思案な人がストレッチの訓練として行うには、ちょっとは意味があるかもしれません。しかし、目的に合わせて方法は他にいくつもあるはずです。

 

 そんなことよりも、気が付くと初対面の相手とでも大笑いしながら楽しく会話ができるようになる研修をやってます。

 

 新入社員研修でつらかった経験を強制的に話させる。これはやってはいけません。

 自己啓発セミナーの手法を取り入れている研修で行われる場合があるようです。自己開示として話しをするのは、安心安全な場だと感じて自らの意志で話したくなった時に聞いて欲しい相手に向かって話すことが原則です。嫌がる相手に無理やり話しをさせることは暴力と何ら変わりありません。

 研修実施側の言い訳として、既存の考え方の枠を壊すとか、仲間を信じてありのままの自分を出すためにやっていると説明することもあります。自主的に参加したセミナーで途中棄権も認められている状況でなら上手くその効果が発揮されるかもしれません。しかし、社内研修などの強制参加で参加者同士が今後ともしがらみがあり、途中退場すると評価でペナルティがつけられることが容易に想像できる状況では行うべきではないと考えています。

 上手くはまれば、つらかった経験から本音を語り、他の人たちに共感して聴いてもらえることで、自己肯定感や自己受容感、他者への信頼や相互の承認の気持ちや連帯感が高まり、感動して涙を流す人もいます。会社の研修担当者も感動してもらい泣きをしたり、受講者が変化したと喜んでいたりと実施する側には評判が良くなりやすいということも、このプログラムが止められない一因だと思います。

 

*自己啓発や治療など専門の目的で行われているエンカウンターグループは安全で効果のある方法です。上記は短時間で部分的に手法だけ取り入れられた場合についてです。

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