クラブ活動や少年野球などで選手がミスをすると怒っているコーチがいます。「ボサッとするな!」「気合入れろ!」「もっと集中しろ!」具体性に欠ける指示ですが聞き覚えがあると思います。
怒っている人は、怒ることで相手が次はミスをしないと思っているはずです。あなたも経験的に効果がありそうな気がしているかもしれません。
怒鳴りつけると気を引き締めるので次は良いプレーをする。良いプレーをした時に褒めると調子にのって気が緩んでミスにつながると信じている人もいます。結果的にずっと怒っているだけの指導者になってしまいます。
しかし、これは全くの誤解です。
例えばゴルフのトーナメントなどで、初日に不振だった選手は二日目には普段のスコアに近づきます。逆に初日に絶好調だった選手は2日目も同じくらいの好結果が出ることは稀です。
その人の実力から大きく離れた結果がでたときは、その次は実力どおりの結果がでる確率の方が高いのです。この事と指導者が怒鳴りつけることとは何の関係もありません。
指導者として選手の実力を伸ばそうと思っているのなら、質の良いトレーニングを継続した努力を褒めることが効果的です。
(参考 ファスト&スロー上巻 ダニエル カーネマン)
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