能力の発揮できない、したくない?

 Harvard Business review「技能のある従業員が能力を発揮できない四つの理由”4 Reasons Talented Employees Don’t Reach Their Potential”」を読んで。

 仕事をこなす技能を持っていることとその能力を充分に発揮しているかは別の話です。
 本人の気持ちの問題もあれば、状況や環境でできなくなっているのかもしれません。
 場合によっては上司との相性が悪かったり、上司の側に問題があることも考えられます。

 リーダー(直接の上司ではない)から見て能力を発揮できていないと思った時に介入の視点としてこの4通りの切り口は役立ちそうです。
 だからと言ってすぐに解決できる話でもないんですが。
 
 ざっくり訳すとこんな感じです。
  ●仕事への適正
  ●ダメな上司
  ●社内の人間関係
  ●プライベートな原因
 詳細は原文をご覧ください。

 

 記事からは離れますが、多くの方にお伺いしているとこの二つもあると感じています。
 ●やっても良いことがない。
  能力を発揮して頑張ってもほめられない、さらに過大な要求をされる。
 ●このぐらいやっていれば十分と思っている。
  報酬に見合った仕事はしている。所掌はこの範囲までと自分で区切っている。

 やる気の問題ともいわれますがこっちのほうがまだ解決の糸口があります。

参照
4 Reasons Talented Employees Don’t Reach Their Potential” Tomas Chamorro-Premuzic 2019.3

みんなが楽しく働く(※Netflixの社風の場合

 TED「みんなが楽しんで働く会社を作る8つの方法”8 lessons on building a company people enjoy working for”」

 Netflix の人事担当役員だったパティ・マッコードの動画です。5分くらいの短い動画なので気軽に見てください。
 TEDシリーズのDropboxが提供しているThe Way We Workの中のひとつで、通常の大勢の前で発表している動画とはスタイルが違います。

 Netflixは会社として目指していて社員に求めるカルチャー(https://jobs.netflix.com/culture)をかなりはっきり示しています。

 優秀な人には高給を払うが仕事ができなければクビという日本ではなかなか実現しにくい部分があります。

So the idea of keeping people for the sake of keeping them really hurts both of us. Instead, what if we created companies that were great places to be from?
引き留めるために彼らを引き留めるというのは両者を本当に傷つけることになります。それよりも、出身地として素晴らしい会社を目指してはどうでしょう?

 このマッコードさんも最終的に Netflix を去ることになってしまいました。それでも去年「NETFLIXの最強人事戦略」も出版されています。
 
 もちろん納得できる良いことも言っています。ただ、海外のリーダーシップや人事制度は前提条件となる文化や法律が違っているので、そのまま持ち込むのではなく自分たちの組織に適用できるのか吟味する必要があります。

 

参照
8 lessons on building a company people enjoy working for” Patty McCord 2019
https://jobs.netflix.com/culture
NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築くパティ・マッコード

花粉症の季節ですが鼻呼吸は大事

 Psychology Todayの記事”Breathe In! Nasal Inhalations Are Linked to Laser-Like Focus”を読んで。

 

 腹式呼吸や深呼吸をする際には喉を痛めないために鼻から息を吸うことを勧められます。それ以外の理由でも鼻から吸った方が良いことがあるようです。

 

”the researchers found that study participants who inhaled milliseconds before performing a visuospatial task on a computer scored better than those who exhaled just before attempting the same task.”

 研究者は、コンピュータで視覚空間タスクを実行する前に数ミリ秒吸入した研究参加者が、同じタスクを試行する直前に息を吐いた参加者よりも優れていることを発見しました。

 

 鼻から息を吸い込むことと匂いを嗅ぐことは同時に起こっています。野生動物では匂いで周囲の状況を確認することは生き残りにも関わってきます。

 視覚もこれと同期して鼻から息を吸い込むときに視覚空間認識能力が活性するようです。

 残念ながら言語能力に関しては良くならなかったようです。味覚や聴覚を刺激することで言語能力が上がると嬉しいんですが、そんな都合のいいことは見つかっていないみたいです。

 

参照

Breathe In! Nasal Inhalations Are Linked to Laser-Like Focus

Human non-olfactory cognition phase-locked with inhalation”Ofer Perl他2019

反重力と言うとニセ科学っぽく聞こえるけれど

 Scientific Americanの記事”Sound by the Pound: Surprising Discovery Hints Sonic Waves Carry Mass
Some sounds might possess a tiny but measurable amount of negative gravitational mass (Jonathan O’Callaghan 3.11, 2019)を読んで。

 

 私も内容を人に説明できるほど理解できていませんが、音が伝わると物が軽くなるという理論が数学的には成り立つとPhysical Review Lettersに論文が掲載されました。(”Gravitational Mass Carried by Sound Waves“Angelo Esposito (Columbia University)他2019)

 

The mass of the phonons would be negative, meaning they would fall “up.”
音響量子(フォノン)の質量は負になり、それらが上に向かって落ちることを意味します。

 これからこの結論が正しかったのか検証を重ねられていくのだと思います。
 反重力なのかマイナスの質量なのか、日本語に訳そうとすればするほど不正確な表現になっていくので詳しくは原文を読んでください。

 

 ここまで来ると「進みすぎた科学は魔法と区別できない」 と理解力の不足を誤魔化したくなります(‘Д’)。
参照
Gravitational Mass Carried by Sound Waves
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.122.084501
Angelo Esposito (Columbia University)他2019
https://physics.aps.org/articles/v12/23

Mutual interactions of phonons, rotons, and gravity
Alberto Nicolis(Columbia University),Riccardo Penco(University of Pennsylvania)2018
https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.97.134516

音響量子(phonon)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8E%E3%83%B3
場の量子論(Quantum Field Theory)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B4%E3%81%AE%E9%87%8F%E5%AD%90%E8%AB%96

Sound by the Pound: Surprising Discovery Hints Sonic Waves Carry Mass
https://www.scientificamerican.com/article/sound-by-the-pound-surprising-discovery-hints-sonic-waves-carry-mass/

一人のバカがリーダーになる瞬間

「リーダーシップとは何か」言葉の定義を始めると人それぞれ結構違いがあります。
 私は「ビジョンを示して、自ら行動し、他人を巻き込む人」くらいのシンプルなもので良いと思っています。

  「ムーブメントの起こし方」Derek SiversTED2010
 3分程度の短いビデオなのですぐに見られます。
~~~
でも1人のバカを リーダーに変えたのは 最初のフォロワーだったのです 全員がリーダーになるべきだと よく言いますが それは効果的ではありません
” but it was really the first follower that transformed the lone nut into a leader. So, as we’re told that we should all be leaders, that would be really ineffective. ”
~~~

 馬鹿げたことでも始めれば一人のフォロワーが現れて、初めはマイノリティだったとしてもフォロワーが増えてやがて集団の25%を超えればそれが当たり前になるかもしれません。

 

 部下やメンバーに対しての評価で「もっとリーダーシップを発揮してほしい」という話を聞くことがあります。 自分にとって都合の良いことを勝手にやって成功した成果だけ献上してほしい、くらいの意味合いだったりする場合があるので内容をよく聞く必要があります(‘Д’)。
参照
https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement
https://awakener123.com/tipping-points/

多数派意見は半分以上の人が支持しているのか?

 Quick and Dirtytips.comの記事”The Science of Tipping Points: How 25% Can Create a Majority”(Sabrina Stierwalt2018.11.6)を読んで。

 実験の結果によると少数意見が普通の意見とみなされ始めるのはグループ内で支持が25%を超えたあたりからでした。
 多数派意見(常識、当たり前、普通の事、みんな言ってるよetc..)だと説得された時に過半数が支持しているのかどうかは確認が必要そうです。

 この結論を少数意見を浸透させるための根回しの方法として考えるなら、過半数を目指さなくても4人に一人の支持者を作れば良いということになります。組織内で企画を通すハードルが少し下がる気がしますね。

 まあ、明らかに反対している個人の意見を変えさせることは別問題なので期待できることは限定的です。
 はっきりと意見を持っている人は別として、浮動票を取り込んで多数派を形成できれば組織の意思決定に影響できる可能性は高められます。

 

 組織として良い決定をするには、多数派意見を形成することよりも皆で議論を尽くす方がよほど大切だと思うんですけどね(‘Д’)。
参照
https://www.quickanddirtytips.com/education/science/the-science-of-tipping-points-how-25-can-create-a-majority
Experimental evidence for tipping points in social convention”D.Centola他ペンシルバニア大学(2018)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29880688

解決策は”なんとなく”くらいでちょうどいい

 Psychology Todayの記事The Principle of “Just Cuz”(Steven C. Hayes 2019.1.22)を読んで。

 新年の目標などでなにか大きなをこと決めて一大決心のもとに取り組み始めたけれど、あまりの大変さに投げ出してしまった経験はありませんか。

 これは問題解決で目標を立てた時も同じ事態に陥りがちです。

 自分で決めたはずなのに結果として三日坊主や中途半端でやめてしまうと、達成できない意志の弱いダメな人間だと自己肯定感をさげていくこともあります。

 記事では
Two Counterintuitive Reasons Why Most Resolutions Fail
ほとんどの解決策が失敗する2つの直感に反する理由として
Too Much Action” ”Too Much Pressure
が挙げられています。

 コーチングでは「スモールステップ」といって遠くの目標に到達するためのはじめの一歩として小さな具体的な目標を決めて行動することをすすめています。

 


 大切なことだから変わらなくてはならないと力が入っている人よりも、こだわりがないから変化できるという考えかた。

 しなければならないという外からの圧力ではなく、気が向いたからというぐらいの軽い気持ちで始めて、続けられなくてやめてしまっても気が向いたらまた始める。

 Just Cuz.”なんとなく”で続けていることが案外と目標達成の近道なのかもしれません。

 

参照
※この手の話は解決しないと即死するような切迫した状況を前提にしているわけではないのでその辺は元記事を読んで自分で判断してください(‘Д’)
https://www.psychologytoday.com/intl/blog/get-out-your-mind/201901/the-principle-just-cuz

三人寄れば文殊の知恵もしくは衆知を集める

 Scientific Americanの記事”The Wisdom of Crowds Requires the Political Left and Right to Work Together

 組織内に多様性があるほうが良いという話は最近よく聞きます。
 多様性というと性別や国籍なんかが思いつきやすいですが、この記事によると政治的意見の違いでも同じように効果があるようです。

 

 面白いのは意見が違う人の対話の場として、ウィキペディアの記事の編集を実験に使っているところ。オンラインでできるので実験に参加してもらいやすくなり、記録を残しやすいので後で測定するのにも便利ですね。
 実験の結果、意見の違う人が議論を重ねるとやはりブラッシュアップされて良い記事になります。

 そして、ブラッシュアップのために対話するうえで大切なことは
We learned that if you have balanced polarization, that led to less toxic language, and less toxic language led to having longer debates.
 政治的に偏りすぎずにバランスを保っていれば毒舌は少なくなり、毒舌が少なくなれば対話は長く続けることができる。

 自説に固執する毒舌家や暴言を吐く人は建設的な対話ができない。
 という、当たり前のことのようですが、上司が人の意見を聞かない毒舌家だったりすると建設的な会議にならないですよね。

 議論を重ねてより良い案を作り出すために多様性はもちろん大事だと思います。同時に意見を言っても大丈夫だと確信できる心理的安全があることも重要です。

 

 改めて多様性について思った時に自分が受けてきた学校教育を振り返ると、生徒の画一化が目的だったんじゃないかと思わずにいられません( ゚Д゚)。

参照
https://www.scientificamerican.com/article/the-wisdom-of-crowds-requires-the-political-left-and-right-to-work-together/
https://awakener123.com/psychological-safety_1/
https://rework.withgoogle.com/guides/understanding-team-effectiveness/steps/identify-dynamics-of-effective-teams/

怠け者なのは、にんげんだもの

 サイコロジートゥディの記事”9 Signs You May Be a Cognitive Miser”を読んで。
 これをやっていると認知能力を衰弱させる9つの兆候・習慣について。

 タイトルのcognitive miser(認知的けちん坊)よりもLazy Thinkers(考えることを怠ける人)のほうが分かりやすいと思うのもなじみのある単語を選びたがる怠け者だからでしょうか。

  「要点を話す」とか「図を使う」のはプレゼンや説明のスキルの一環とされているので指摘されるとちょっと辛い。他にも「必要な時に検索をして内容を覚えない」とか「外注(アウトソーシング)に丸投げ 」なども耳が痛い。

 ただ、これらの習慣は脳の認知能力を衰弱させるので意識して避けましょう。という正論だけではなかなか続かない。
 そもそも、より短時間で少ないコストで成果を上げるという価値観があると悪い習慣だといわれても効果があるので止められないものもある。

 結局、余白や遊びを許容できる環境がないと易きに流れてしまう。怠け者でもいいじゃないか、にんげんだもの。と、言えるほどは達観できないので、日々あれやこれやと考えています((+_+))。

 

 その他のサインは下のソースからお読みください。メンドクサイと思った人はcognitive miserになりかけているかも(*_*;

参考
https://www.psychologytoday.com/intl/blog/cognitive-learning-and-skill-deficits/201902/9-signs-you-may-be-cognitive-miser
https://www.livescience.com/27228-we-are-lazy-thinkers.html

いくつになても学びは大切:脳のピークは意外な年齢

 Scientific American.comの記事(”When Does Intelligence Peak?Scott Barry Kaufman 2月28日, 2019)によると記憶力や判断力、計算能力といった認知機能はそれぞれピークになる年代がバラバラだと分かったそうです。
 Joshua Hartshorne(Harvard大学*1) と Laura Germine(Massachusetts General Hospital)が48537人を対象に標準的な IQ テストと記憶力テストを実施した結果です。

 年齢を重ねると若い時のほうが何でも上手くできていたような気がすることもありますが、実際は年を取った方が伸びていくこともあると考えると安心しますね。
 歴史的な出来事や政治的な思想といった一般的な情報を学び理解する能力は50歳前後、語彙力は60代後半(*2)でようやくピークです。

 そう考えると学び続けることが大事なのはもちろんですが、若い人の成長を長い目で見る楽観的な視点も必要だと思います。

 さらに、目的をもって毎日生活していると能力の低下を抑えることができるということなので最新学習歴の更新は大切ですね。

*1)現在は Boston College
*2)元記事の箱ひげ図とビジネスインサイダーの資料が合わないので気になる人は出典の論文で確認してください。(そこまでするのはメンドクサイ(^^;)

参考
ビジネスインサイダーにも同様の記事がありました。
https://www.businessinsider.com/smartest-age-for-everything-math-vocabulary-memory-2017-7#peak-ability-to-learn-and-understand-new-information-also-occurs-around-age-50-7
https://www.businessinsider.com/how-intelligence-changes-as-we-age-2015-3