性格上の強みを伸ばしてくれる職場

 Michellemcquaid.comの記事「従業員の強みを伸ばすための5つの方法”5 Ways To Help Workers Develop Their Strengths”」から。

 ミシェル・マクアイドによる Strengths Lab 2019職場調査レポート(”The Change Lab 2019 Workplace Survey”)は従業員の性格上の強みの発達と職場や仕事とのかかわりに注目した調査です。
 レポートはMichellemcquaid.comのサイトから無料でダウンロードできます。
The Change Lab 2019 Workplace Survey”(※要アカウント登録)

 

 調査結果によると従業員が自分自身の強みを知って仕事に活かすことができれば、より高い成果を上げることができます。
 
 また、個人向けの強み調査を受けた人でも、結局その強みを活かした場所は職場においてチームサポートと関係の改善に使っていました。
 
 トップ5の強みを識別することができた従業員で彼らがチームに心理的安全があると感じ、リーダーたちと有意義な強みについての会話をしていて組織として彼らの強みを活性化することを約束している時に、その強みを使う可能性がより高まりました。

 さらに強みを活かすことができている従業員は仕事への満足感が7倍高く、積極的に行動する可能性は3倍高く、4倍の成果を出しているという調査結果もあるようです。

 

  • 自分の強みを仕事に生かすことでより高い成果と仕事に対しての満足感を得られます。
  • 強みを伸ばすことの意味についてリーダーは従業員と語る機会を定期的に持つ必要があります。
  • 従業員が強みを伸ばすためにできていることもできていないことも率直にリーダーと話せる関係を築く必要があります。
  • チームの心理的安全性を高め、お互いの長所を知り助け合う関係のあるチームをつくることでよりその強みを発揮できるようになります。
  • 自主性や能力、人とのつながりを組織的に支援し、強みに基づく文化への従業員のコミットメントを高めることがより強い組織文化となります。

 心理的安全はチームで仕事を進めていくうえで基盤となるものです。心理的安全を感じられないチームが増えた原因は会社内だけではなく社会全体を含めた複合的なものだと思います。
 原因追及をするよりも、全員がお互いのことを知って話し合い相互理解を深めることでもう一度心理的安全を作ることが必要です。もちろん組織として心理的安全を損なわないような仕組みを施行することも大切です。
参照
5 Ways To Help Workers Develop Their Strengths” Team MMQ 2019
The Change Lab 2019 Workplace Survey”アカウント登録すると無料でレポートをDLできます。

どのくらい人を励ます性格かの測定

 Psychology Todayの記事「あなたが人から好かれる人かどうか気付く12の方法”12 Ways to Find Out if You’re the Kind of Person Others Like”」から。

 人と信頼関係を築いていくうえで効果的な方法のひとつが相手を応援することです。ほめ言葉も大切ですが、同じように相手の可能性を信じて勇気づけ励まして見守っていくことも相手の成長を手助けする方法です。

 インディアナ大学のWong YJ他の研究によると励ましの言葉は、自分と相手のポジティブな関係をより強めるので励ます側にとっても良い影響があります。
 人を励ますという性格の強みを測定するために “Encouragement Character Strength Scale (ECSS).”が考案されました。

 

「人を励ます性格特性スケール」
”The Encouragement Character Strength Scale: Scale development and psychometric properties.”Wong YJ, Shea M, Wang SY, Cheng J.
以下の12の質問に普段通りに考えて回答してください。。
各設問は「強く反対する(= 1)」から「強く同意する(= 6)」まで6段階で評価してください。
合計値の平均があなたのスコアです。

1. Someone has told me that my words of encouragement to her or him provided hope during a difficult time in her or his lives.
 私からの励ましの言葉が相手の人生の困難な時期に希望を与えてくれたと人から言われたことがある。

2. I have been told that I have just the right words of affirmation for someone who is feeling down.
 私は誰かが落ち込んだ気分でいるときにかける適切で肯定的な言葉を持っていると言われたことがある。

3. I know how to use words of affirmation to address someone’s deepest fears.
 私は誰かが深い恐れに取り組むためにかける肯定的な言葉の使い方を知っています。

4. Someone has told me that my words of encouragement motivated her or him to consider a new opportunity.
 私の励ましの言葉で新しいチャンスについて考えるきっかけをもらったと言われたことがある。

5. I have been told that I have just the right words to help others believe they can achieve at the highest level.
 私は、彼らが最高レベルで達成できると自分で信じることを助けるために適切な言葉を持っていると言われたことがある。

6. My positive words have given someone the courage to pursue new opportunities that she/he didn’t previously consider.
 私の前向きな言葉が、相手が今まで考えていなかった新しい機会を追求することについて勇気づけたことがある。

7. I enjoy saying or writing something positive to encourage others to persevere in the face of hardship.
 私は、困難に直面している人が忍耐強くなれるように励ますための前向きなことを言ったり書いたりすることを楽しんでいます。

8. I find it meaningful to share words of inspiration with those who lack confidence.
 私は、自信のない人と奮い立たせるような言葉を分かち合うことは意味があると思います。

9. I like to share words of encouragement with others who are feeling dejected.
 私は落胆している人たちと励ましの言葉を共有することが好きです。

10. I get excited about inspiring others to fulfill their potential.
 私は他の人たちが潜在能力を発揮するために鼓舞することに興奮します。

11. I feel fulfilled when something I said or wrote to others encouraged them to pursue their dreams.
 私が人に言ったことや書いたことが彼らの夢を追求するように促したとき、私は満足したと感じます。

12. When I see others doing a good job, I like to encourage them to keep up the good work.
 他の人が良い仕事をしているのを見るとき、私は彼らが良い仕事を続けていくように励ますことが好きです。

 

You can also separate the subcategories of perceived ability (items 1-6) and enjoyment (items 7-12). The average ECCS score per item as reported for a sample of university students was 4.73, with the majority scoring between 3.95 and 5.51. If your score is in that range, then you’ve got an average degree of the ability to provide encouragement and hence be liked.
また、自覚している能力(項目1〜6)と楽しさ(項目7〜12)のサブカテゴリを分類することもできます。大学生のサンプルで報告された項目ごとの平均ECSSスコアは4.73で、大多数のスコアは3.95と5.51の間でした。あなたのスコアがその範囲内であれば、あなたは励ます能力を平均程度持っています。

 この点数はアメリカでの調査結果です、日本で検証すると数値に違いがあるはずなので参考程度に考えてください。
 数値の結果だけを気にするのではなく、定期検査のように自分がどのくらい人に励ますようなかかわりをしてきたかをチェックすることにも意味があります。

To sum up, fulfillment in life, as this study shows, seems to depend very strongly on not trying to surpass other people’s achievements, but in helping them overcome their challenges. By being a more encouraging person, you’ll not only be better liked, but you’ll like yourself better in the process.
まとめるとこの研究が示すように、人生の充実は他人が達成したことを超えようとするのではなく、彼らが彼らの挑戦を克服することを助けることに非常に強く依存しているようです。もっと励ます人になることで、あなたはより好かれるだけでなく、その過程において自分自身をより好きになるでしょう。

 

 設問の訳がこなれていないのはご愛嬌ということでご勘弁ください。
 日本版のECSSが開発されることを期待してます。
参照
12 Ways to Find Out if You’re the Kind of Person Others Like” Susan Krauss Whitbourne Ph.D. 2019 Psychology Today
The Encouragement Character Strength Scale: Scale development and psychometric properties.” Wong YJ他 2019 Journal of Counseling Psychology

天職は自分で創ってみる

 TEDxBend「天職が見つからない人がいるのはなぜなのか”Why some of us don’t have one true calling”

 子供のころになりたいと思っていた職業に就けた人はどのくらいいるのでしょうか?
 成長して知識が広がるにつれて、その時々でなりたいものが変わっていくことは当然です。それに時代の流れで新しくできる職業もあれば、廃れていく分野もあります。

The notion of the narrowly focused life is highly romanticized in our culture. It’s this idea of destiny or the one true calling, the idea that we each have one great thing we are meant to do during our time on this earth, and you need to figure out what that thing is and devote your life to it.
 狭く焦点を絞った人生という概念は、私たちの文化の中で非常にロマン化されています。それは運命あるいは一つの天職という考え方です。私たち一人一人がこの地球上で生きている間に為すべき素晴らしいことを持っていて、あなたはそれが何であるかを把握し、そのことに人生を捧げる必要があるという考えかたです。

 目的を一つに絞れと言われたことがあると思います。目移りしているとどちらも手に入らない確率が高くなるのかもしれませんが、それは優先順位の問題ではないでしょうか。
 逆に目的を絞りこまないおかげで様々な分野に挑戦できる可能性もあります。

A multipotentialite is someone with many interests and creative pursuits.
マルチ・ポテンシャライトとは 多くに興味を持ち創造を追求する人です。

You can also use one of the other terms that connote the same idea, such as polymath, the Renaissance person. Actually, during the Renaissance period, it was considered the ideal to be well-versed in multiple disciplines.
また、同じような考えを示す、博学者、ルネッサンス人などの言葉を使用することもできます。実際、ルネッサンス時代には、複数の分野に精通していることが理想と考えられていました。

 その時興味を持てたものに全力で取り組めば、いつか止めてしまってもその経験は無駄にはなりません。

Idea synthesis, rapid learning and adaptability: three skills that multipotentialites are very adept at, and three skills that they might lose if pressured to narrow their focus. As a society, we have a vested interest in encouraging multipotentialites to be themselves. We have a lot of complex, multidimensional problems in the world right now, and we need creative, out-of-the-box thinkers to tackle them.
アイデアの統合、迅速な学習力と適応力の3つはマルチ・ポテンシャライトの得意とする所であり焦点を絞れと強いられると失いかねない技能です。私たちの社会はマルチ・ポテンシャライトのありのままの姿を大事にするもっともな理由があります。それは今の世の中に山ほどある複雑で多次元的な問題に取り組むには創造的で型にはまらない人材が必要なのです。

 ひとつのことを継続できない自分を嘆くのではなく、過去の経験を活かす方法を考えるか経験をつなぎ合わせて新しい分野を創造することができれば、これまで解決できなかった問題を解消したりイノベーションを起こせるかもしれません。

 天職と言われると「何をしたい」のかと考えがちですが「なぜしたい」のかという視点から考えた方が腑に落ちやすいです。
参照
Why some of us don’t have one true calling” Emilie Wapnick 2015 TEDxBend

健康を維持するために必要な運動の基準

 Psychology Todayの記事「10年の研究に基づく新しい身体活動ガイドライン”New Physical Activity Guidelines Based on Decade of Research”」から。

 ゴールデンウイークを前に暖かくくなってきたので屋外で運動することも快適になってきました。
 毎日歩く程度でも健康維持のために役立ちますが、アメリカでは成人の80%が運動不足という調査結果もあるようです。

 日本の厚生労働省に相当するアメリカ合衆国保健福祉省(The Department of Health and Human Services)からアメリカで推奨されている健康のための身体活動の基準が示されています。(2018年版

For substantial health benefits, adults should do at least 150 minutes (2 hours and 30 minutes) to 300 minutes (5 hours) a week of moderate-intensity, or 75 minutes (1 hour and 15 minutes) to 150 minutes (2 hours and 30 minutes) a week of vigorous-intensity aerobic physical activity, or an equivalent combination of moderate- and vigorous-intensity aerobic activity.
 実質的な健康上の利益のために、成人は少なくとも週に2.5時間~5時間の中程度の強度、または75分~2.5時間の激しい強度の有酸素運動、または同程度の有酸素運動と中程度の組み合わせが必要です。

 中程度の強度の運動が歩いたり掃除くらいの活動に相当します。
 日本では厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」で毎日歩行と同等の活動を60分する事と示しています。週にすると7時間。
 意外と日本の方が厳しい?

 スマートウオッチも安くなって心拍数などの活動量の記録がしやすくなりました。数値化できるとモチベーションも保ちやすくなるので便利です。また、運動することでドーパミンやβエンドルフィンなど脳内物質も出るので精神的な健康にも効果があります。

 健康だからできることもあります。できるだけ維持していきたいですね。
参照
New Physical Activity Guidelines Based on Decade of Research” Christopher Bergland 2018 Psychology Today 
The Physical Activity Guidelines for Americans”Katrina L. Piercy, PhD 2018 JAMA
運動施策の推進” 2013 厚生労働省 

人生の目的は自分で決める

 Psychology Todayの記事「人生の中であなたの目的を見つけるための近道”The Shortcut to Finding Your Purpose in Life”」から。

 振り返ってみると学校の中で人生の目的なんていう話しをした記憶が無いですね。年代や地域によってはあったのかもしれませんが、将来の夢として何か職業を聞かれたような気はします。
 夢=職業というところが既におかしい気がしますが、教育現場にも諸事情があるのだと思います。そもそも小学生だと知っている仕事のイメージが表面的なものだけでしょう。

 

How to settle on a purpose that fits your current life stage? There is a technique you can use that is immensely valuable – but astonishingly most people ignore it.
 あなたの現在のライフステージに合った目的をどうやって決めますか?非常に貴重なあなたが使用できるテクニックがあります – しかし驚くべきことにほとんどの人はそれを無視します。

 Interview your future self
 将来のあなた自身にインタビューしてください。

 NLPの手法にタイムラインという自分の未来をリアルに想像して、そこから現在の課題を解決する方法がありますが、ここではそうではなく、自分のロールモデルになりそうな人にインタビューしてアドバイスをもらうという方法です。

 役立つアドバイスもたくさんあるとは思いますが、時代に合わせて価値観も変化してきます。ロールモデルの人が現役だった頃の世間の情勢と現在がどのように変化したのかも考慮して聞く必要があります。
 

Experiments have shown that when people are made to think in detail about their future selves, they are more likely to make better financial planning decisions, show altruistic behavior, and make more ethical choices.
 実験は、人々が自分たちの将来の自己について詳細に考えさせられたときに彼らはより良い財務計画の決定をし、利他的行動を示し、そしてより倫理的な選択をする可能性が高いことを示した。

 自分の将来について考えることはポジティブな効果があります。この他にもその将来を実現するために、小目標を立ててそれを達成すれば脳内物質のドーパミンが活性化して気持ち良くなり、さらに行動したくなるなどの好循環がおきます。

 

 二日続けて2~3時間のセミナーを受講する機会があり、どちらも価値観や達成したい計画の目的を重視する内容でした。
 人に説明すると、ひとりで考えていた時には明確にしたつもりでも案外と煮詰まっていないことが分かります。私たちはやり方については、説明したりされたりすることに慣れていても、目的や価値について人と話す機会は意識していないとなかなか作りません。
 
 目的も一回で完璧に仕上げるのではなく、行動してまた人の意見を聞いてブラッシュアップしていくことで、より自分にしっくりくるものができてきます。
 大局観を持ったロールモデルになってくれる人と出会うのは難しいかもしれませんが、コーチングのコーチのように傾聴して受け止めてくれる人と話すことで視点を増やすことはできます。コーチでなくとも気の合う仲間同士で集まって(今ならオンラインでも)互いに聞きあう場を作っていければ人生の目的を決めることも促進されます。
参照
The Shortcut to Finding Your Purpose in Life” Karl Pillemer Ph.D. 2016 Psychology Today
The Legacy Project

好奇心は才能を上回る

 The Atlanticの記事「学校は学習において大事なことを見落としている“Schools Are Missing What Matters About Learning” 」から。

 学校での成績が良いことを生まれつきの才能だと思いがちですが、遺伝的な要因よりも環境の方が影響が大きいようです。 

Curiosity is underemphasized in the classroom, but research shows that it is one of the strongest markers of academic success.
好奇心は教室で強調されていませんが、研究はそれが学術的成功の最も強いマーカーの1つであることを示しています。

 また、厳しい躾けやスパルタ式の教育よりも、本人の好奇心を潰さずに興味の方向を誘導することができれば自ずから学びはじめます。

All in all, the Fullerton study is proof that giftedness is not something an individual is either born with or without—giftedness is clearly a developmental process. It’s also proof that giftedness can be caused by various factors.
全体としてフラートンの研究は、才能とはもって生まれたかどうかにかかわらず環境から独立したものではないことを証明しています。才能は明らかに発達過程です。才能がさまざまな要因によって開花する可能性があることも証明しています。

 

 会社や組織としても好奇心の高い人を採用したほうが、新しい取り組みや企画を考えることに積極的にかかわってくれそうです。そうすると、好奇心の高いことと成績の良いことがおおよそ兼ねていた時代はペーパーテストの点数を基準に採用すれば良かったのかもしれません。

 ただし、好奇心は強くないけれどテストの点数稼ぎは上手い人もいます。教えられたことをそのまま覚えるような効率の良い受験対策に特化した教育では、無駄なことにも興味の向く好奇心の強さは効率が落ちてしまいます。

 好奇心が強くて常識にとらわれないと何をやるか分からないという面もありますが、社内にその才能を伸ばしていく余裕があれば組織の発展に役立つ人材になります。
参照
Schools Are Missing What Matters About Learning” Scott Barry Kaufman 2017 The Atlantic

想像力が組織をまとめてくれる

 TEDGlobalLondon「なぜ人類は台頭したのか”What explains the rise of humans?”

 「サピエンス全史」や「ホモ・デウス」の著者であるユバル・ノア・ハラリさんの動画です。時期的には「ホモ・デウス」の出版される少し前のようです。

 単独ではチンパンジーにも勝てない人間が、何故世界中に広がって繁栄できているのか。
 この謎に対して「想像力を獲得したから」と説明しています。

The answer is our imagination. We can cooperate flexibly with countless numbers of strangers, because we alone, of all the animals on the planet, can create and believe fictions, fictional stories. And as long as everybody believes in the same fiction, everybody obeys and follows the same rules, the same norms, the same values.
 答えは私たちの想像力です。私たちは無数の見知らぬ人たちと柔軟に協力することができる地球上で唯一の存在です。そして、皆が同じフィクションを信じる限り、誰もが同じ規則、同じ規範、同じ価値観に従います。

 この想像力があるから、同じ虚構を信じて良く知らない他人とでも集団を作り共力できるのです。

 

 虚構というと字面から嘘とかでっち上げ(フィクション=ありえない作り話)のイメージが先行するのですが、そういったネガティブな意味ではなく、理想や希望に近いものです。

 経営戦略を作る時や個人のコーチングでも、まずビジョンを描きましょうと言います。この時のビジョンはミッション、目的、ありたい姿、価値、ビッグピクチャー等々表現は様々ですが、フィクションという言い換えも可能です。ただ、多くの人を巻き込み、強くそれを信じるにはやる気が出るような言葉を選んだほうが良さそうです。

 チームビルディングではチームのビジョンがメンバーそれぞれのビジョンと何らかのつながりがある事がモチベーションにも影響します。
 チームが良くなれば(ビジョンを達成すれば)自分にも良いことがあると思えればやる気も出ますが、チームがビジョンを達成しても自分には何もなければどこか他人事にしかなりません。

 

 人類が作り出した虚構としてお金、宗教、法人、国家など説明されますが、詳しくは「サピエンス全史」を一読されることをお勧めします。
 上下巻でページ数もそれなりにありますが興味があればすぐに読み終わるくらいに面白いです。
参照
What explains the rise of humans?” Yuval Noah Harari 2015 TEDGlobalLondon
サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福” Yuval Noah Harari 2016 河出書房新社

人の表情から感情を読む能力

 Psychology Todayの記事「犬は人の表情を良く読み取る”Dogs Watch Us Carefully and Read Our Faces Very Well”」から。

 先日、ネズミも共感する能力があるという記事がありました。
 では、ネズミよりも進化した犬はどうでしょうか。

 犬をペットにしている人からすると当然のことかもしれませんが、犬は人の表情からその時の感情もある程度読み取れるようです。

In one study of dogs and human facial expressions, a team of scientists led by Corsin Müller demonstrated that dogs differentiate between happy and angry human faces and that dogs find angry faces to be aversive.
 犬と人間の表情に関するある研究で、CorsinMüllerが率いる科学者チームは、犬が幸せな顔と怒った顔を区別し、犬が怒った顔を嫌がっていることを示しました。

The expression most commonly used by dogs was one in which they raise their inner brow, making the eyes appear wider and sadder, a look all dog owners will immediately recognize as “puppy dog eyes.”
 犬が最も一般的に使用する表現は、彼らが眉頭を上げることで、目がより大きく、より悲しく見えるようになり、すべての犬の飼い主がすぐに「子犬の目」として認識されるようになります。

 おねだりする時や叱られている時に見せる、下がり眉のような表情を意図して作ることができるようです。

 自分の表情が相手にどのような影響を与えているのかを犬でさえ理解しています。

 さて、私たちはどこまで自分の表情に気を配っているのでしょうか。あからさまに不機嫌な表情(態度も)は周囲の雰囲気も悪くします。
 特にリーダーや組織での立場が上の人ほどそれだけで周囲にマイナスの影響を与えてしまいます。

 リーダーでなかったとしても、新人の指導役などを任さられることはあると思います。その時、自分の表情や態度が相手の学べることにどれだけの影響を与えてしまうのかは心にとめておきたいことです。
参照
Dogs Watch Us Carefully and Read Our Faces Very Well” Marc Bekoff Ph.D. 2019 Psychology Today
Rats Feel One Another’s Pain” Mary Bates Ph.D. 2019 Psychology Today
”ネズミだって共感している”

 

ネズミだって共感している

 Psychology Todayの記事「ラットはお互いの痛みを感じる”Rats Feel One Another’s Pain”」から。
 
 ラットを使った動物実験で、他のラットが痛みを経験しているのを見ても痛みを経験しているように脳が反応することが実証されました。

 Researchers from the Netherlands Institute for Neuroscience have demonstrated that specific neurons in the rat brain are active both when a rat experiences pain itself and when it observes another rat in pain.
 オランダ神経科学研究所の研究者らは、ラットが痛みを経験した時と、それが別のラットの痛みを観察した時の両方でラットの脳内の特定のニューロンが活動的であることを実証しました。
 

 これは共感能力を人間だけではなく、ほ乳類全般で同じように持っていることの証拠になりそうです。
 
 アニマルセラピーという療法もありますが、今回はラット同士だけの話しなのでラットと犬や犬と人間といった別の種類との間でも機能するのかはまだ分かりません。

 

 人間同士では共感能力が機能しているはずなのに、そうは見えない人もたまにいます。

Neuroimaging studies in humans show that a region called the anterior cingulate cortex (ACC) is active both when we feel pain and when we witness the pain of others.
 ヒトにおける神経画像研究は、前帯状皮質(ACC)と呼ばれる領域が、痛みを感じるときと他人の痛みを目撃するときの両方で活性化していることを示しています。

This happens in the region of the ACC that is active in human neuroimaging studies of empathy, and it’s the same region where psychopaths show reduced activity.
これは人間の神経画像研究で共感しているときに活発であるACCの領域で起こります。そして、それはサイコパスでは活動が少ないことを示すのと同じ領域です。

 研究が進めばこの部分の活性化を薬で調整できるようになるのかもしれません。ただ、そうするとその人の個性はどうなるのでしょう?
 自分の期待通りに行動してくれない(共感を示してくれない)相手だからといって、相手が間違いだと一方的に決めつけることはできません。

 チームビルディングを含め、人と良い関係を築いていくうえで共感能力は大切です。同時に複数の人が集まる組織を健全に維持していくには多様性も必要になってきます。そのバランスを保つには、メンバー同士が常にお互いを良く知るように対話することかもしれません。
参照
Rats Feel One Another’s Pain” Mary Bates Ph.D. 2019 Psychology Today
Emotional Mirror Neurons in the Rat’s Anterior Cingulate Cortex”  Maria Carrillo 他  2019  Current biology

5秒以内に動くことの効果


 TEDxSF「自分をダメにするのを止める方法”How to Stop Screwing Yourself Over”

 

 テレビやラジオの司会としてやベストセラー作家としてなど様々な分野で活躍し「motivational speaker」と呼ばれているMel Robbinsさんの動画です。

 主張は単純明快です。
 「欲しいものに向かって、つべこべ言わずに行動しろ」という思想です。
 ただし、単純であることと簡単かどうかは別ものです。

 大概の人は欲しい結果やなりたい将来があるのに、あれこれ(結果やコスト、将来への影響など)考えて行動できないか、諦めてしまい行動しないで悩んでしまう。

 じゃあ、どうすれば良いのか?
 「5秒以内に動け」と分かりやすい方針です。
 分かりやすいからできるのかというとそれも別物ですが。

 だから強制的にでもできるように「自分自身をしつける”parent yourself”」ことが大切になります。
 

And by “parent yourself”, I mean it’s your job to make yourself do the crap you don’t want to do, so you can be everything that you’re supposed to be.
そして、「自分自身をしつける」とは、やりたくないことを自分でできるように仕向けることがあなた自身の仕事です。

 

 この考え方が役に立つ時もあると思います。でも、ウツなどで精神的に追い詰められてる時は逆効果なので、人それぞれの人生の山と谷を見きわめて使ったほうが良さそうです。

 特に間違えてはいけないのは、この話は自分がやりたいと思えることに向かって行動していくことを勧めています。「自分自身をしつける”parent yourself”」嫌なことでもできるようにすると表現していますが、その瞬間的につらい行動をとることで、将来的に良いこと楽しいことがあるとポジティブなイメージができる目的に向かう行動です。

 やっても良いことがなさそうだけれど、やらないと怒られるからとか、仲間に(組織に)いられなくなるからといった罰を回避するために行動するわけではありません。

 

 新入社員研修中だったり、営業部署への配属直後の新入社員の人たちが、駅前で大声で歌を歌わされたり、とにかく誰でも良いから名刺交換してもらおうとしてたりするのを見聞きすると(最近はだいぶ少なくなったと思います)その狙いと行動がはたして合致しているのか疑問です。
 「とにかく行動すれば良い」という考えで、馴染んでその後上手くいく人もいますが、馴染めなくてドロップアウトする人もいます。篩(ふる)いにかけて残った人だけ伸ばしていく方が企業の戦略として楽なのかもしれませんが、それでは組織としての多様性は失われてしまいます。

 

参照
How to Stop Screwing Yourself Over” Mel Robbins 2011 TEDxSF
Mel Robbins 個人サイト https://melrobbins.com/
The 5 Second Rule: Transform Your Life, Work, and Confidence with Everyday Courage ”(未邦訳)